加藤事務所(東京都中央区、加藤進一社長)のゴム用機械販売の強みは、台湾機械メーカーの「ニーダーマシナリー」と「ジンダイ機械工業」を中心に、海外製の機械を取り扱っていることだ。機械の種類も小型試験機からニーダ―、プレス、ロール、大型設備など多岐に渡っている。
最近では、同社は6月にイタリアのITALMATIC社(以下、イタリマッチック社)イタルマティック社と契約をした。イタリマッチックがカールツァイス製のタイヤ検査装置「ZEISS INTACT」Shearography Intactシリーズを扱い扱うようになり、同社はタイヤ試験機の国内の総代理店となったほか、イタリマッチック社が製造する更生タイヤ用機械の取り扱いも始めた。その結果、海外製機械の取り扱いは13機械多岐の取り扱いとなり、ラインナップがさらに充実した。すでにタイヤ試験機の受注実績もあり、販売増を目指す考えだ。
また昨年に、ゴム商社大手の加藤産商と業務提携をし、加藤産商が持つ国内外のネットワークを活用できるようになった。そのため、同社は機械専門のセールスエンジニアを採用し、海外製のゴム用機械の幅広い製品群を強みに新しい顧客を開拓していく。
今回、機械販売の増員をしたことについて、木崎諭太部長は「機械専門のセールスエンジニア(村瀬唯一氏)を加えたことで機械の営業の厚みを持たせた。また、加藤産商様と連携したことで問い合わせが確実に増えており、シナジー効果を発揮できるようにしていきたい」と述べる。
今期(23年9月期)22年10月期を振り返ると、以前から受注の種まきをした結果、機械の受注が多くなったという。とくに、ニーダーマシナリーが扱うロール機の引き合いが多く、8インチ~22インチなど幅広い受注を獲得した。コロナ禍でユーザーが抑えていた投資意欲が回復しているようだ。また、今期は、機械は老朽化のための更新需要が多かったほか、新規需要もあったという。その結果、今期の売上は老朽化による更新需要や大きな案件があったため、前期を上回ると見込んでいる。
今期は販売が堅調に推移したことで、来期の販売戦略は「今期に引き続き、既存のお客様を中心にアプローチをしつつ、更新需要を獲得していく。また、今期は加藤産商様のネットワークを活かしきれない部分もあった。今期から人を増やしたので営業の地固めをし、ネットワークを増やしていく」(木崎部長)。そして、11月28日から開催する「IPF Japan 国際プラスチックフェア」では、台湾ブースで同社が代理店する、ロールやニーダーなどを製造する「ニーダーマシナリー」や大型プレスや特殊機を造る「ジンダイ機械工業」、スライサーを生産する「添聖機械」テンシンキカイ?が出展する。同社は協力してブース内で営業活動をしていく計画だ。
来期の需要について「受注環境は決して悪くはない。ただ、今後の受注につながる種まきが必要だ」(同)とし、今期以上の実績を目指していくとしている。
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