帝人は９月１日、複合成形材料の設計、加工技術開発、試作を手掛ける持分法適用会社であるジーエイチクラフト（ＧＨＣ社）の同社所有株式全てをＴＩＰｃｏｍｐｏｓｉｔｅ（ティーアイピーコンポジット）（ＴＩＰ社）に譲渡することを決定し、本日付でＴＩＰ社との間で株式譲渡契約を締結したと発表した。
同社は、ダウンストリーム戦略を推進する中で、自動車や航空機、船舶、産業ロボット、風力発電機などに使用する複合成形材料の設計、加工、成形などにおいて優れた技術力を有するＧＨＣ社を２００８年７月に買収した。
以降ＧＨＣ社は、同社の複合成形材料事業における国内主要拠点の１つとして、要求特性の高い航空宇宙機器や鉄道車両を中心とした多岐にわたる分野において複合成形材料の設計、試作、評価を行い、顧客から高い信頼を得てきた。
一方同社では、２０１７年の北米事業買収以降、自動車向け複合成形材料事業をグローバル展開してきたが、半導体不足や原材料価格高騰、労働力不足などに起因した業績悪化を受け、同事業の重点地域としている北米事業の収益性改善を重視した経営資源配分の見直しを進めている。
こうした中、ＧＨＣ社のさらなる成長を検討する中で、今回の株式売却を決定したものとなる。
ＴＩＰ社は、航空宇宙用途や工業用途などの多岐にわたる分野向けに複合成形材料の設計、製造、販売事業を展開している。ＧＨＣ社とＴＩＰ社とは協業プロジェクトの実績もあり、ＴＩＰ社がＧＨＣ社の知見や技術を有することによって事業を大きく成長させることができると期待している。
当該持分法適用子会社ならびに株式譲渡先の名称は、ジーエイチクラフト、本社所在地は、静岡県御殿場市板妻７３３番地、代表者は、代表取締役社長須山洋一氏、事業内容は、先端複合材料技術を用いた次世代軽量構造製品の設計提案、受託開発、試作、製作販売、資本金は、 １億円、設立年月は、１９７２年８月、従業員数は、約70名、株式所有割合は、帝人99・１％、社員株主０・９％となる。
株式譲渡は同年９月７日を予定している。
同件による２０２４年３月期の連結業績に与える影響は軽微となる。
