三井化学は9月4日、同社とパラマウントベッド、リバーによるベッドマットレスに含まれるポリウレタンのケミカルリサイクルに向けた取り組みについて、環境省が公募している「令和5年度脱炭素型循環経済システム構築促進事業」のうち、「プラスチック等のリサイクルプロセス構築及び省CO2化実証事業」に採択されたことを発表した。
ポリウレタンリサイクルについて、すでに海外化学企業ではバリューチェーンを構築し、廃棄マットレスをリサイクルするコンソーシアムを立ち上げるなど、ポリウレタンを循環材料とするための新しい手法、技術などを模索している。一方、国内では、ベッドマットレスを中心としたポリウレタンは廃棄物として回収され、その多くが焼却処理されている。また、ポリウレタン以外の他素材(ポリエステルやスプリング等の金属)が使用されるマットレスは、処理困難物となり、産業廃棄物の排出事業者や自治体にとって大きなコストとなっている。加えて、高齢化社会が進む日本において、介護用ベッドの需要が増すことで、廃棄されるベッドマットレスの数が増加すると見込まれている。
ベッドやマットレスの製造・販売を行うパラマウントベッド、ポリウレタン原料の製造・販売・研究を行う同社、リサイクルを行うリバーの3社は、低炭素なケミカルリサイクル技術や回収までのリサイクルシステムの確立を目指す。具体的には、同実証事業の実施期間となる2025年2月までを目に、使用済みベッドマットレスの処理技術とケミカルリサイクル技術について、低炭素な技術およびプロセスの開発を進める。
また、回収についてはパラマウントベッドが認定を受けている広域認定制度を活用し、介護保険制度が適用されるレンタル型サービスでリユースされた後、使用済みとなったベッドマットレスを回収するスキームの構築を推進する。
2023年09月06日