東洋紡、ポリエステル系合成紙 エコプロアワード優秀賞受賞

2023年09月07日

ゴムタイムス社

 東洋紡は9月6日、同社が開発したポリエステル系合成紙「カミシャインNEO TM」を活用した、ラベル台紙の水平リサイクルに関する取り組み「資源循環プロジェクト」が、「第6回エコプロアワード」(SuMPO)の優秀賞に選出されたことを発表した。
 本プロジェクトは、2022年より、同社が日榮新化、シオノギファーマ、トッパンインフォメディア、三井物産ケミカルと共同で実施しているもの。
 飲料や日用品、薬品など、さまざまな製品の製造工程において、製品にラベルを貼った後に残るラベル台紙の量は年間約14億平方メートルに及ぶ。これらのラベル台紙は樹脂でコーティングされた紙製であることが多く、異素材が混ざっていることからリサイクルが困難であり、ほとんどが回収・再利用されることなく産業廃棄物として焼却処分されている。本プロジェクトでは、ラベル台紙の素材を紙から樹脂フィルムの「カミシャインNEO TM」に置き換える。使用後に有価回収、マテリアルリサイクルを行い、再び「カミシャインNEO TM」の原料として使用することで、ラベル台紙の廃棄ゼロを目指す。これにより、二酸化炭素の排出量を12・4%削減する効果が見込まれている。
 エコプロアワードは、2050年カーボンニュートラルの達成や、サーキュラーエコノミー型経済への転換に貢献するような製品やサービスなどを表彰する制度。6回目となる今回は、9月6日に受賞者が公表された。本プロジェクトは、さまざまな分野で使われ、年間の使用量が膨大であるにも関わらず、従来はほとんどが廃棄されていたラベル台紙のリサイクルに取り組んだことや、回収スキームの構築から再資源化処理、再製品化までの一連の流れを実現するために業界を横断した5社が協業したことなどが評価され、優秀賞の受賞に至った。
 同社は今後も、リサイクル原料やバイオマス原料を使用した、環境配慮型の高機能なフィルム製品のラインアップを拡充し幅広く展開することで、長期ビジョン「サステナブル・ビジョン2030」において解決への貢献を目指す社会課題の一つとして掲げる通り、「脱炭素社会&循環型社会」の実現に向け努めていく。

関連キーワード: ·

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー