PSジャパンは9月7日、岡山県倉敷市の同社水島工場にポリスチレン(PS)樹脂のケミカルリサイクル(CR)実証設備を新設したと発表した。
今後、実証運転を進め、使用済みのPS製品の再資源化によるスチレン資源循環システムの構築を本格化させる。
PS樹脂を熱分解し、原料となるスチレンモノマー(SM)に再生するCR実証設備は東芝プラントシステムの技術にて建設した。今後同社はPS樹脂を高効率・高品質に再生産する技術の実証と、量産化の検討を行う。
PS樹脂は家電製品や産業資材製品にも使われているが、最も比率の高い用途が食品容器包装で、従来のメカニカルリサイクル(MR)では食品接触用途に戻すのは課題が多いという難点があった。
CRでは再生産したPS樹脂が食品容器包装にも使えることから、PS樹脂製食品容器包装の水平リサイクルに道を開くものとなる。
再生したSMから作られるPS樹脂はバージン品と同等の品質で、使用済みPS製品を単純焼却する場合と、それをCRする場合とを比較すると、GHG排出量をおおよそ半分に減らすことが見込まれる。
同社では各自治体様やユーザー様、工業会様と取り組みを進め、PS樹脂の資源循環システムの構築を加速していく。
同社では、PS樹脂の資源循環の実現に向けて、「リボン-ポリスチレン」のブランドを立ち上げた。同社のMR・CR技術によって生まれた再生PSが「PSJ-ポリスチレン リボン-ポリスチレン」として、広くユーザーの方々のもとにお届けできるよう活動していく。
同社はPS樹脂の製造販売会社として「ユーザーの視点に立ち、信頼を得、安心と価値を提供する」という経営方針のもと、安定品質・安定供給や新しい価値の商品提供のみならず、環境問題に真剣に取り組んでいる。カーボンニュートラルならびに資源循環社会の実現に向け、PS樹脂の資源循環を通じて、その責任を果たしていく。
2023年09月11日