出光興産が共同研究 次世代営農型太陽光発電

2023年09月12日

ゴムタイムス社

 出光興産は9月8日、東京農工大学と次世代営農型太陽光発電設備下部の作物の生育・収穫量の評価を目的とした共同研究をこのたび開始したと発表した。
 同社は、千葉県木更津市の圃場(水田)において、本年6月に農業と再生可能エネルギー発電を両立する次世代営農型太陽光発電の実証を開始した。
 同実証では、太陽光を自動追尾して動く架台(太陽光追尾型架台)と両面受光型の太陽光パネル(両面モジュール)を導入した。
 この太陽光追尾型架台は農作期にはパネル下で栽培する農作物への太陽光照射を優先できるように、両面モジュールの向きを自動で調整する。これにより農作物の収穫量と品質の維持・向上を図る。
 水稲研究で実績のある東京農工大学と同社は、同実証農地に作付けした水稲について、生育期間中の日射量・温度(積算)等の生育環境による成長、収穫量への影響を定量的に評価する。
 加えて、収穫後は品質・食味等の第三者評価を実施する。また、温暖化による炎天下での高温登熟障害の発生防止についても研究する。
 東京農工大学は東京都府中市内にある2haの附属水田農場で200品種以上の稲を栽培し、水稲を大型台風でも倒伏しないようにする品種改良、良食味、高収量、高バイオマス生産の品種の開発、環境ストレス抵抗性に関する研究実績がある。
 同社はこの研究実績を同実証に活かす事で、営農型太陽光発電下部での稲作と発電の両立に留まる事なく、より高品質・高収穫量の稲作を目指す。
 研究内容は、営農型太陽光発電の下部圃場における稲の生育・収量の評価と品質向上の可能性、研究期間2023年7月~2024年6月(1年目の結果を見て延長を判断)、場所は、実証圃場(木更津)他、作物は稲となる。

農作物への太陽光照射を優先してパネルが動く次世代営農型太陽光発電設備下部の圃場における評価の様子

農作物への太陽光照射を優先してパネルが動く次世代営農型太陽光発電設備下部の圃場における評価の様子

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