住友理工は9月14日、同社のビル用制震システム「TRCダンパー」が、中部日本ビルディングと共同事業者である中日新聞社の中日ビルに採用されたことを発表した。
ビル用制震システムTRCダンパーは、オフィスビルやマンションなど中高層ビルの地震対策に有効な特殊粘弾性ゴムを使用したシステムである。特殊粘弾性ゴムが地震エネルギーを吸収し、熱エネルギーに変換することで、建物の揺れを低減させる制震装置。風による横揺れ低減にも効果があるほか、薄くコンパクトな点も特徴で、ビル設計上の無駄なスペースを削減することができる。これまでに国内外で150棟以上のオフィスビル・マンションに設置されている。
同社はコアコンピタンスである高分子材料技術と総合評価技術をもとに、自動車分野で培った技術を地震対策へ応用し、2005年にビル用制震システムTRCダンパーの販売を開始した。23年8月に竣工式を迎えた新中日ビルには、地震対策として、建物内に複数の制震装置が採用されており、TRCダンパーは高層部に設置されている。
中日ビルは1966年の開業以来、2019年まで約半世紀にわたり、名古屋・栄を代表する大型複合施設として長らく親しまれてきた。旧ビルからの建替えを経て、来春、新たな名古屋・栄のランドマークとして、グランドオープンする予定。
同社グループは、経営 Vision「2029年住友理工グループVision」にて、2029年のありたい姿を「理工のチカラを起点に、社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続ける、リーディンカンパニー」と設定した。ありたい姿の実現に向けた方向性の一つとして、「持続可能な社会に向けた価値づくり」を掲げている。今後も、安全・快適の提供拡大に向けた技術の進化・融合を推進し、社会課題の解決に貢献していく。
2023年09月19日