島津製作所は9月14日、液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS)およびガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)の安定的な供給に向けて、中国国内におけるMS(質量分析計)上位機種の製造を開始すると発表した。
同国ではLC-MSやGC-MSの臨床向け需要が増大している。
一方で、中国政府は国産医療機器を優遇する「輸入品の政府調達に関する監査ガイドライン」を2021年5月に発表しており、分析機器、医療機器における政府調達時の国産品比率の目安が示された。
同社は、これらの状況に鑑みて、2022年10月から試験的にLC-MSやGC-MSを中国で製造を開始しており、今秋より本格的に生産・出荷を開始する。
製造を担当する島津儀器(蘇州)有限公司(SSM)は、同社が中国で販売する分析計測製品の約2割を製造する工場となる。1998年に市場ニーズに対応した価格競争力の高い分析計測製品を生産・供給する拠点として設立し、主に中級・汎用機種のLC-MSや液体クロマトグラフ(LC)、紫外可視分光光度計(UV)などを製造してきた。
このたび、LC-MSに加えてGC-MS、ガスクロマトグラフ(GC)、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)などの上位機種の製造開始に伴い、2024年夏の竣工を目指して工場を拡張している。拡張にかかる投資額は約30億円となる。
同社は、2023年度から始まった中期経営計画において「グローバル製造の拡大」を掲げており、このたびの生産拠点の拡大もこの一環となる。
2023年09月19日