ダイセルは9月22日、同社の酢酸セルロース樹脂「CAFBLO(キャフブロ)」において、日本バイオプラスチック協会(JBPA)の海洋生分解性プラ識別表示制度の「海洋生分解性バイオマスプラ」の認証を取得したことを発表した。同識別表示制度はポジティブリスト(PL)制を採用しており、原料ポリマーである同社の酢酸セルロース(ジアセテート)が海洋生分解性材料としてPL登録された。
海洋生分解性プラ識別表示制度は、JBPAが2023年7月より開始した、海洋での生分解性および安全性が確認されたプラスチック製品を認証する制度。
酢酸セルロースは、植物由来の「セルロース」と自然界に存在する「酢酸」を原料として製造される、天然由来かつ生分解性を持った環境にやさしい素材。環境中に誤って流出した場合、酢酸セルロースは、最終的に自然界に存在する微生物によって水と二酸化炭素に分解される。また、木や綿花などの非可食性材料を主原料としているため、将来懸念される食糧問題に対して影響を与えない。同社は長年主力製品として取り扱っている酢酸セルロースの海洋生分解性を改めて評価し、様々なプラスチック製品に適用できるよう可塑剤との組合せにより酢酸セルロース樹脂「CAFBLO」のラインナップの拡大を進めている。
人間が出す大量のプラスチックゴミによる海洋汚染によって、漁業や海洋生態系への影響、人の健康への懸念などが、近年、大きな社会課題となっている。この抑制には資源循環の基本原則に則り、使用後の回収が原則だが、それでもなお、回収システムの不備や自然災害等で意図せず環境中に流出するプラスチック製品が多いのが実情。このため、海洋環境で生分解するプラスチック製品の普及が解決策の一つとして期待されている。同社はパートナー企業や自治体と協力し酢酸セルロース樹脂「CAFBLO」の普及を通じて、この社会課題解決への貢献を目指している。
2023年09月25日