商船三井と出光興産は9月26日、共同で、海洋プラスチックの再資源化(油化ケミカルリサイクル)に向けた実証実験を開始すると発表した。
商船三井グループの日本栄船では、海洋環境保全を目的にタグボートの基地として利用している広島市営桟橋に海洋浮遊ゴミ自動回収装置「Seabin(シービン)」を設置している。
同実証実験では、「シービン」を利用して回収した海洋プラスチックを原料として、出光興産の子会社であるケミカルリサイクル・ジャパンが、油化ケミカルリサイクル技術により生成油を生産する。
この一連の取り組みを通じ、出光興産は石油化学製品や燃料油の原料として生成油が利用可能かを確認するとともに、海洋プラスチックの再資源化の実現可能性を検証する。
将来的には、海洋プラスチック由来の生成油を原料に、出光興産の石油精製・石油化学装置を活用して「リニューアブル化学品」や「リニューアブル燃料油」の生産を目指す。
商船三井グループは、経営計画「BLUE ACTION 2035」において環境戦略を主要戦略の一つとして位置付けている。また「海洋・地球環境の保全」をサステナビリティ課題の一つに掲げ、その目標とアクションを示すため「商船三井グループ環境ビジョン2・2」を定めている。
海洋プラスチックごみの回収をはじめとする海洋環境保全の取組みだけでなく、気候変動・生物多様性の保護といった様々な地球環境への負荷低減をグループ一丸となって進めている。人・社会・地球のサステナブルな発展に貢献し、青い海から豊かな未来をひらく。
出光興産は2050年カーボンニュートラル社会の実現に向け、2030年ビジョン「責任ある変革者」、2050年ビジョン「変革をカタチに」を掲げている。
昨年11月に発表した中期経営計画(対象年度、2023~2025年度)では、「一歩先のエネルギー」、「多様な省資源・資源循環ソリューション」、「スマートよろずや」の「3 つの事業領域」の社会実装を通して「人々の暮らしを支える責任」と「未来の地球環境を守る責任」を果たしていくことを表明した。
海洋プラスチックの再資源化の取組は、出光興産が中期経営計画にて表明した3つの事業領域のうち「多様な省資源・資源循環ソリューション」の社会実装に向けた取り組みの一環となる。
同実証実験を通じて、両社でカーボンニュートラルおよび循環型社会の実現、ならびに海洋環境保全の促進に向けて取り組んでいく。
2023年09月28日