三菱ケミカルグループは9月27日、PFASフリーと高難燃性を両立させた高付加価値ポリカーボネート樹脂「XANTAR(ザンター)XFシリーズ」を開発したと発表した。
有機フッ素化合物であるPFASはパーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物の総称で、難燃性が必要とされる素材に採用されている。一方で、近年では環境汚染や人の健康への影響が懸念されており国内外で規制案が検討されている。
XANTARXFシリーズは、新たに開発した難燃化技術により、PFASを使用することなく高難燃性を実現している。同社グループの難燃性評価においても厚み0・6mmでUL94規格V-0相当の高難燃性を確認している。部品の超薄肉化が可能なため、情報電子機器の軽量化や省スペース化に貢献する。
さらに、高い透明性や発色性、表面硬度(鉛筆硬度:H)、耐熱性(ガラス転移温度:163℃)を有していることから、さまざまな分野への展開が可能です。
同社グループはエンジニアリングプラスチック(エンプラ)事業の強化・発展のため2023年4月3日に高付加価値
ポリカーボネート樹脂「XANTAR」事業を取り込んだ。同社グループでは革新的なソリューションを提供するスペシャリティマテリアルグループとして、これからもXANTARの展開を通じ高付加価値な製品を提供するとともに、サステナブルな社会の実現に貢献していく。
なお、開発品は10月4~6日に幕張メッセで開催される「第3回 サステナブルマテリアル展」でパネル展示を行うとしている。
2023年09月27日