バルカーが地鎮祭を開く 特殊タンク製品で国内強化

2023年10月02日

ゴムタイムス社

 バルカー(東京品川区、瀧澤利一代表取締役会長CEO)は、子会社のバルカーメタルテクノロジーが(以下、VMT)特殊タンク製品(ふっ素樹脂製ライニングタンク)を生産する新工場の地鎮祭を開催した。

 地鎮祭では、同社の瀧澤利一CEOやVMTの東野公夫社長、神田大輔高機能樹脂・製品本部本部長、施工関係者らが参列し、神事を執り行った。


 新工場(以下、田原新工場)は、愛知県田原市に特殊タンク製品(ふっ素樹脂製ライニングタンク)を主な生産品目とする工場だ。同社は半導体などの工場で使用される薬液の貯蔵や、それらを製造する化学品メーカーの搬送に利用される、ふっ素樹脂で内側を被覆した特殊タンクを提供している。とくに、最先端の半導体向けに対する超純度薬液貯蔵タンクで世界最高トップシェアの実績を持つ。ライニングタンク拠点ではすでに米国、台湾の拠点があり、国内ではふっ素樹脂製ライニングタンクの工場は初めて。生産能力については、一番が台湾の拠点で2番目に田原新工場となるという。

 同社は中計「New Frontier 2023(NF2023)」では、主力製品であるライニングタンクやライニングISOコンテナ生産能力強化などをの課題を挙げており、今回の新工場の決定となった。国内で建設する背景として、地政学リスクが高まるなか、顧客から国内製造を求める声があったほか、「半導体生産の国内回帰の流れを受け、これをチャンスとして強みであるライニング技術を国内に生産することで、さらに我々の技術を磨いて競争力強化を図っていく」(神田本部長)としている。田原新工場の稼働により、ライニング施工まで国内での一気通貫が可能となり、サプライチェーン分断のリスクを低減し、戦略的サプライチェーンマネジメントを実現する。

 神田本部長は田原新工場について「新工場は、我々が持つ機能樹脂特殊製品の技術ノウハウを日本の中心立地であり、人と事業環境に恵まれた愛知県田原市に集結させ、機能樹脂ライニングタンク製品のフラッグシップ工場として建設していく」と述べ、「2027年に当社は創業100周年を迎える。いよいよ建設が始まる田原新工場は、100周年を迎えるそのときも、そしてその先も列席の皆様や地域の皆様に愛され、かつ社会発展のための推進力となるよう、さらに当社の企業理念である『THE VALQUA WAY』に基づく拠点として全力を尽していく」とあいさつした。
 田原新工場の稼働は2025年1月を計画している。

田原新工場のイメージ

玉串を奉納する瀧澤CEO

神田高機能樹脂・製品本部本部長

 

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