住友ゴム工業は9月28日、国内メーカー初のEV路線バス向け市販タイヤとしてDUNLOP(ダンロップ)史上最高レベルの低燃費(電費)性能を実現したEVバス向けリブタイヤ「e.ENASAVE SP148(イーエナセーブ エスピーイチヨンハチ)」を、10月1日から発売すると発表した。発売サイズは「275/70R22・5」の1サイズで、価格はオープン価格。
「e.ENASAVE SP148」は、全国でのEVバス導入の加速を受け、EVの課題である一回の充電で走れる航続距離を伸ばすために、転がり抵抗を低減し電費を抑えることを目的に開発した。転がり抵抗を低減するために、タイヤの骨格形状を最適化することで総ゴム量を削減し軽量化した。また、ショルダー部のラグ溝を無くし、剛性を確保することで、無駄な発熱を抑制した。これらの技術により低燃費(電費)性能に寄与する転がり抵抗係数を汎用品DUNLOP「SP537」比25%低減する。
さらにEVのバッテリー搭載による重量増には、高剛性トレッドパターンの採用で対応。トレッド全体で摩耗エネルギーを分散することで優れたロングライフ性能を発揮します。また外観にもこだわり、サイドウォールのロゴには当社独自の黒色デザイン技術「Nano Black(ナノブラック)」を、トレッドパターンには先進性を想起させる近未来的なデザインを採用している。
新商品の特長は、最新テクノロジーを結集しDUNLOP路線バス史上最高レベルの低燃費(電費)性能を実現。「軽量化ケースプロファイル技術」によりタイヤの骨格であるケースライン形状を最適化することで余分なゴムをそぎ落とし、軽量化した。さらに、リブ同士が支え合う「高剛性トレッドパターン」を採用することで、リブの動きが抑制され、転がり抵抗に起因するエネルギーロスの低減に大きく貢献する。これらの異なるアプローチを組み合わせることで、転がり抵抗係数を従来品DUNLOP「SP527」比10%低減、汎用品「SP537」比25%低減することに加え、温室効果ガス排出量の削減にも貢献する。
摩耗エネルギーを分散させる「高剛性トレッドパターン」では、路線バス用タイヤの特徴的なショルダーラグ溝をなくし、センター主溝に新開発の丸底フラスコ型の溝形状技術「フラスコグルーブ」を採用。これにより従来品「SP527」より広い面でEV特有の車両荷重を支えることが可能となり摩耗エネルギーを分散することで、背反するロングライフ性能と転がり抵抗性能を高次元で両立する。
新開発「フラスコグルーブ」で排水性能持続では、摩耗によって溝幅が広がる丸底フラスコ型の溝形状技術「フラスコグルーブ」を新開発。フラスコグルーブによって溝幅が広がることで、摩耗中盤以降の溝面積が減ることによる排水性能の低下を抑制し、摩耗末期まで優れた排水性能を維持する。
Nano Blackを採用した高いデザイン性では、独自の黒色デザイン技術「Nano Black」を採用し、洗練されたサイドウォールデザインを実現。ロゴに繊細な凹凸形状を採り入れることで光の反射を抑え、汎用品「SP537」のデザインよりも高い黒色を再現し、これまでにない存在感を創出する。
2023年09月28日