出光興産は9月28日、国富町と国富町役場でのEV・蓄電池の充放電と空調出力の連携制御による電力利用の最適化実証実験を開始したと発表した。
同実証実験で得た知見をもとに、2022年8月に開始した「idemitsu CN(カーボンニュートラル)支援サービス」の新たなメニューとして、EV・蓄電池の充放電と連携可能な空調制御システムの提供を目指す。
同実証実験では、2021年10月に同社、国富町、BIPROGY、スマートドライブが発表した「宮崎県国富町役場でのエネルギーマネジメント実証実験の開始について」で開発したエネルギーマネジメントシステムで制御対象としていた蓄電池・EVに、新たに空調制御システムを追加して連携制御を行う。
現在、国富町役場では、電力需要がピークとなるタイミングで、EV充電を停止するとともにEVと蓄電池からの放電を行っている。
これに加えて、今回の連携制御では、施設の電力需要に占める割合が大きい空調の室外機の消費電力を抑制することで、契約電力をより大きく低減する。また、電力需要のひっ迫時に小売電気事業者から発せられる節電(デマンドレスポンス)要請を想定した制御についても検証する。
同社は同実証を通して、EV・蓄電池の充放電と連携した空調制御による消費電力低減サービスの構築を行い、自治体・企業が利用するエネルギーの脱炭素化に貢献する。
実証内容は、 EV及び蓄電池の充放電と空調出力の連携制御による電力のピークカット、デマンドレスポンス対応を想定したEV及び蓄電池の充放電と空調出力の連携制御となる。
実証期間2023年8月~2024年3月(予定)、実証場所は、国富町役場(宮崎県東諸県郡国富町大字本庄4800番地)、実証機器は、ソーラーカーポート1式、EV充放電器 2台、EV充電器1台、蓄電池2台、公用車EV3台、エネルギーマネジメント用Gateway機器1式、空調制御機器1式(制御対象空調約20台)となる。
同社は2022年11月に発表した「中期経営計画(2023~2025年度)」において、「一歩先のエネルギー」「多彩な省資源・資源循環ソリューション」「スマートよろずや」の3つの事業領域の社会実装を通じ、事業ポートフォリオ転換を推進することを表明した。
同取り組みは3つの事業領域のうち「多彩な省資源・資源循環ソリューション」の開発と社会実装に向けた取り組みと位置付けている。
2023年09月28日