三菱ケミカルグループは10月2日、植物由来原料を使用したPTMG(ポリテトラメチレンエーテルグリコール、BioPTMG)について、同社グループの三重県四日市市の四日市工場において、2023年秋に、製品構成の最適化と製品タンクのアロケーションを実施すると発表した。
これにより、需要の拡大に着実に応えるとともに、主力グレード「BioPTMG 1000」「BioPTMG 2000」については、従来の石油缶やドラム缶に加えて、順次ローリーやISOタンクでの出荷も可能となる。
また、今後のさらなる需要成長に対応するため、将来的には生産能力を 1年当たり3000tまで引き上げることを計画している。
BioPTMG(バイオPTMG)は、2021年に同社グループが開発した植物由来ポリオールで、ポリウレタン製品やポリエステル製品に対して柔軟性、耐久性、高反発性を付与することができる素材。独自の精製技術により、樹脂にしたときの着色が無く、石油由来品と同じようにインテリア、ファッションから工業資材に至るまで幅広い分野で使用することができる。
また、92%以上の高いバイオマス度を有しており、枯渇資源である石油の消費量を削減できるだけでなく、原料となる植物が成長過程で二酸化炭素を吸収するため、温室効果ガスの低減にも貢献する。
バイオPTMGは石油由来品と比べて、ライフサイクル全体で約40%の温室効果ガスの削減が期待できる。
バイオPTMGは2022年に発売した日清紡テキスタイル「バイオマスモビロン」にも採用している。バイオPTMGがPTMGの最大の用途先であるスパンデックスに採用するのはこれが初めてで、今後も幅広い用途への採用が期待されている。
なお、2023年10月4~6日に幕張メッセで開催される第3回サステナブルマテリアル展において、「バイオマスモビロン」をはじめ、バイオPTMGを採用した製品の展示を予定している。
同社グループは バイオPTMGをはじめとする植物由来の素材の研究開発を加速させ、サステナブルな社会の実現に貢献していく。
2023年10月03日