住友グループは10月4日、大阪・関西万博の2025年日本国際博覧会に「住友館」を出展すると発表した。
400年の歴史をもつ同社は、愛媛県新居浜市の別子銅山の採掘でグループ発展の礎を築いた。
過度な木々の伐採と煙害により別子の山々が荒廃した際は、公益との調和を強く求める「自利利他公私一如」の事業精神のもと、別子の山々へ植林を開始し、100年もの時をかけて、いのちあふれる豊かな森の姿を取り戻した。森と向き合い、未来へとつなぐこの取り組みは、現在も継承し、私たち同社グループ各社の経営理念の原点となっている。
そして、今回のパビリオン出展では、これまで培ってきた英知や技術、人材を集結させ、同社グループの総合力で社会課題に挑む。人々の心を動かし、時代に変化を与え、未来への希望を創出できるような展示や、夢のあるエンターテイメントを通じて、みなが集い語れる場にしていく。
私たちが直面する社会や環境の問題への関心を持ち続けてもらうため、森の中で様々な「いのちの物語」に出会うインタラクティブな体験や、来場者の方々に参加いただける「植林体験」を実施する。
未来を担う子どもたちや多くの方々が植林した木々が、数十年後、100年後、時を超えて、未来へと脈々と受け継がれていく。過去から受け継がれてきた木々に触れる。ここにしかない森の中で「いのちの物語」と出会う。住友館で過ごす時間が原体験となって、森や自然と向き合い、未来へ想いを馳せる大切さを感じ続けるきっかけをこのパビリオンで提供する。
住友館は、同社の発展の礎である四国「別子の嶺」から着想を得てデザインし、山々が連続するシルエットを表現している。
パビリオンの建設にあたっては、同社グループが保有する「住友の森」の木を全面的に活用する。私たちは「1本1本のいのちを大切にしたい」という想いから、木材の加工方法に関しても検討と議論を重ね、「合板」を用いる事で木々を余すことなく利用する。
木材を薄く桂剥きにすることで合板へと加工し、さらに桂剥き後に残った「芯」も、ベンチなどに姿を変えて住友館に設置する。
別子銅山を発展の礎に、多様な森のように成長を続けてきた同社。 グループ各社がパビリオンで力強く集結し、一粒の種に。 訪れた一人ひとりの心にその種は植えつけられ、大きな可能性となって未来へふくらんでいく。住友館のシンボルマークは、これからの自然・人・社会に驚きやワクワクを与える、「!」マークのような「森」が、ここからひろがることを表現している。
住友館では「UNKNOWN FOREST 誰も知らない、いのちの物語」を展開する。
同社は、長い時間を重ねてきた森との関わりの中で、森にある多様な価値を見出した。
この森は今まで聞こえなかった、見えなかった、見過ごしていた、いのちの物語「UNKNOWN」を語り、触れていただく場所となる。多種多様な生命をつつみこむ森。そこには、個性にあふれ、いきいきと躍動するいのちがあり、多様性をみとめ合って生きるよろこびがある。その森が持つ価値、わたしたち人間では知ることができなかった学びをこの UNKNOWN FORESTでの体験を通して伝えていく。
2023年11月30日には開幕まで500日前の節目を迎える。同社グループが持つ様々な力を集結させ、2025年大阪・関西万博の機運を高める活動を展開していく。
1つのいのちから様々ないのちが生まれ、めぐりめぐってひろがっていく森のように、わたしたち一人ひとりの一歩が、大きなうねりをつくると信じ、豊かな未来に向けて、より一層盛り上げていく。
2023年10月05日