三井化学、米グループ会社が販売開始 調光レンズ用の加工システム

2023年10月05日

ゴムタイムス社

 三井化学は10月4日、グループ会社であるSDC Technologies,Inc.(SDC)とCOBURN Technologies,Inc.(COBURN)が、2023年9月にレンズ加工ラボ(技工所)向け調光レンズ用の加工システムの販売を開始したと発表した。
 同システムは、COBURNのコーティング機器に関するノウハウとSDCのコーティング材料への専門知識を組み合わせた、両社によるはじめてのコラボレーション製品になる。
 現在、レンズ加工ラボは、さまざまな材質やカラーバリエーションに対応できるよう調光レンズの在庫を大量に保管しながら、眼鏡小売店に対してタイムリーにニーズに沿った製品を提供しているが、同システムの導入により、調光レンズのオンデマンド生産が可能となり、在庫削減と生産性向上に寄与することができる。さらに、同システムにて製造した調光レンズは、素早い発色と退色という特長を持ち、また、耐摩耗性など優れた性能を保有している。
 COBURN CEO、Alex Incera氏は、「本システムは、SDCとCOBURNの両社それぞれが培ってきた強みの融合を象徴しており、お客様のレンズ材料加工に革新的なソリューションを提案するもの。今後も両社のパートナーシップを活かした製品ポートフォリオの拡充を通して、世界中のレンズ加工ラボに新しい価値の提供をしていく」とコメントしている。
 同社は、メガネレンズ材料のリーディングカンパニーとして、高屈折率レンズ材料MRTM シリーズをはじめとした様々な屈折率や特性の材料を世界中のレンズメーカーに提供している。
 また、メガネレンズに欠かせないコーティング材料分野では、2008年にSDCを買収して以降、2010年には防曇コート材に強みをもつ FSI CoatingTechnologies、2014年にはUV硬化型ハードコート材のLTI Coating Technologies(2017年にSDCが吸収合併)、20年には、超撥水・反射防止コート材をもつCOTEC、22年にはメガネレンズ加工機器の開発・製造・販売を行う COBURNをグループに加え、メガネレンズの長寿命化や高機能化に貢献する製品のラインナップを拡充している。
 同社のビジョンケア材料事業は、メガネレンズ革新を牽引する高性能・高品質な製品やサービスを提供することで、世界中の人々の目の健康や快適さに貢献していく。

今回販売開始した調光レンズ用加工システム「クリスタルクローム」

今回販売開始した調光レンズ用加工システム「クリスタルクローム」

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー