出光興産は10月５日、低炭素エネルギーソリューション提供への重要な一歩として、Ｐｅｔｒｏｌｉａｍ Ｎａｓｉｏｎａｌ Ｂｅｒｈａｄ（ペトロナス）と、持続可能な航空燃料（Ｓｕｓｔａｉｎａｂｌｅ Ａｖｉａｔｉｏｎ Ｆｕｅｌ、「ＳＡＦ」）のサプライチェーン構築・強化に向けた共同検討に関するＭＯＵを締結したことを発表した。
同ＭＯＵの下で、ペトロナスと同社は、ＳＡＦの安定的かつ効率的なサプライチェーンを構築するために、バイオ原料のより大規模な確保、生産コスト分析、安全・安定性などの実現可能性調査を行う。また、その一環としてポンガミアやジャトロファなど、非食用油原料の供給可能性調査を行う。
さらに、ＳＡＦの流通・販売網を確立し、航空業界がより安定的にＳＡＦを確保できるよう取り組む。
ペトロナスは、クリーンエネルギーソリューション分野で取り組んでいる、マレーシアジョホール州ペンゲランのバイオリファイナリーとマラッカのｃｏ－ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇを通じて、２０２６年までにＳＡＦやその他のバイオ燃料の大規模生産能力を有する予定。これにより、ペトロナスは航空業界だけでなく、輸送やＦ１とそのロジスティクスチームを含む市場を獲得することができる。
また、世界で拡大するＳＡＦ分野で市場成⾧の機会をとらえながら、より幅広い原料にアクセスするためにパートナーシップを活用することができる、強力なグローバルプレゼンスを有している。
同社は、２０３０年までにエアラインによる燃料使用量の10％をＳＡＦに置き換えるという日本政府および航空業界の目標実現に向け、年間50万ＫＬのＳＡＦ生産体制の構築に取り組んでいる。エタノールを原料とするＡＴＪプロセスや、廃食油を原料とするＨＥＦＡプロセスによるＳＡＦ製造検討に取り組んでおり、これらを通じて培ったＳＡＦ製造の専門知識・技術により、競争力のあるＳＡＦ供給に貢献する。２０２６年度から供給開始予定の千葉事業所でのＡＴＪ技術による実証に加え、２０２０年代後半の供給開始を目指し、ＨＥＦＡ技術も対象に２号機以降の展開を検討している。
両社による締結セレモニー
