タイに新プラント建設 デンカ、アセチレンブラック

2023年10月10日

ゴムタイムス社

 デンカは10月10日、タイ証券取引所に上場するSiam Cement の完全子会社であるSCG Chemicals (本社:タイ・バンコク、SCGC社)との共同出資により、アセチレンブラック製造販売事業を行う合弁会社を設立するとともに、タイ・ラヨン県マプタプットにアセチレンブラック生産プラントを建設することを決定したと発表した。
 デンカのアセチレンブラックは現在、国内(大牟田工場、千葉工場)と海外(シンガポール)計3拠点で製造されている。 タイでの製造拠点の新設ならびに年間1万1000トンの生産能力を有するプラントを建設することにより、製品供給のさらなる安定を図る。これにより、同社のアセチレンブラックの生産能力は現行の1・5倍に拡大する見通し。投資金額は400百万USドル、完工時期は26年上期(予定)、稼働開始日は26年下期(予定)となっている。
 なお、同決定はSCGC社の機関決定を条件とし、当該決定は23年中に行われる予定としている。
 カーボンブラックの一種である同社のアセチレンブラックは、独自の熱分解合成技術により金属、硫黄等の不純物が極めて少ない純度の高さに加え、優れた導電性を有している。xEVのリチウムイオンバッテリー、洋上風力発電の高圧送電線ケーブル用途で使用されており、今後も同用途での需要の伸長が見込まれている。
 そうしたなかで、同社の経営計画「Mission2030」の注力分野である「ICT&Energy」でもアセチレンブラックを戦略製品の一つと位置付けており、生産・販売体制強化を目的に、合弁会社を設立した。
 SCG Chemicals社の概要(21 年12月時点)。設立年月は1983年11 月1日、従業員数(連結)は8325名。事業内容は①タイ国内での上流下流を含むオレフィンチェーン事業、②塩ビ樹脂、塩ビコンパウンド、塩ビ最終製品等のビニルチェーン事業、③その他(海外オレフィンチェーン事業、リサイクル事業、サービス・ソリューション事業)となっている。

アセチレンブラック

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