ランクセス、混床樹脂開発 半導体超純水向け、金属含有低減

2023年10月13日

ゴムタイムス社

 ランクセスは、半導体製造で使用する超純水向けに新たに混床樹脂を開発した。
 従来品レバチット(Lewatit)ウルトラピュア1296 MD混床樹脂と比較し、新製品レバチットウルトラピュア1296 MD PLUSは、鉄、亜鉛、ナトリウムなどの金属の含有量を大幅に低減する。
 イオン交換樹脂「レバチット」ウルトラピュアは、半導体製造で使用する超純水用の最終ポリッシングフィルタとして早期から導入され、現在の検出限界に近い結果を生み出してきた。
 同社は、2023年10月10日~12日に米国テキサス州オースティンで開催したUltraPure Micro 2023カンファレンスにおいて、このイオン交換樹脂の新製品を来場者に公開している。
 半導体やディスプレイの製造では、使用する水の純度を確保するために複雑な水処理が必要となる。それに応じて、最新世代のウエハーとマイクロチップでは、使用するイオン交換樹脂システムに高いレベルの品質が要求される。
 さらに、新しい分析システムでは、ppt(1兆分率)オーダーのレベルでイオンを分析することができ、イオンの種類によっては、ppq(1000兆分率)のレベルまでの分析が可能となる。
 現代の産業で要求される半導体の性能を実現するためには、200もの処理工程が必要となる。そのために必要な超純水は、複雑な多段階プロセスによって供給する。
 この処理の中でも最も重要な工程に、標準的なイオン交換、逆浸透、脱気、限外ろ過、過酸化水素の除去による、通常の一次脱塩があるが、最終段階で行うのが超純水用混床樹脂を用いた最終ポリッシングとなる。
 新製品のイオン交換樹脂「レバチット」ウルトラピュア1296 MD PLUSは、プロセス全体の有効性に不可欠なこの最終段階のために特別に開発した。
 このように処理した超純水は、マイクロチップ製造時のエッチングや洗浄工程でも使用できる。

「レバチット」ウルトラピュア1296 MDプラス

「レバチット」ウルトラピュア1296 MDプラス

 

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