東洋紡がリニューアル 岩国事業所の自家火力発電所

2023年10月20日

ゴムタイムス社

 東洋紡は10月12日、山口県岩国市の岩国事業所の自家火力発電所をリニューアルし、同日に竣工式を開催したと発表した。
 燃料を石炭から液化天然ガス(LNG)および古紙・廃プラスチック類を主原料とした固形燃料のRPFに転換することで、同事業所の温室効果ガス(GHG)の年間排出量を、従来の4割以上に相当する約8・0万t削減する。
 同社グループは、地球温暖化・気候変動を事業活動の継続に関わる大きなリスクの一つと認識し、省エネ活動や生産効率の改善に取り組んでいる。
 このほど新設した自家火力発電所では、石炭からLNGとRPFへの燃料転換に加え、発電設備から発生する高温排ガスやLNGの冷熱を有効に利用する省エネ制御技術の導入により、環境負荷を大幅に低減した。今後、岩国事業所は「低炭素ものづくり」が可能な拠点として、環境に配慮した生産活動・事業活動を推進し、地域の発展に貢献できるよう一層努めていく。
 同件は、経済産業省「令和2年度省エネルギー投資促進に向けた支援補助金(エネルギー使用合理化等事業者支援事業)」に採択され、大阪ガスの完全子会社であるDaigasエナジーおよび同社が共同で実施した。同日の竣工式には、大阪ガスの田坂隆之代表取締役副社長執行役員をはじめ約50人が出席。
 同社社長の竹内郁夫は「岩国事業所をはじめ、全社で低炭素化を加速する。低炭素エネルギーで生産される、バイオマス原料などを用いた環境負荷軽減製品の提供を通じて循環型社会の実現に貢献する」と抱負を述べた。
 同社グループは、世界的イニシアチブの SBTi(Science Based Targets initiative)より認定を取得した2030年度までのGHG排出量(Scope1、Scope2)削減目標である「2020年度比27・0%削減(2013年度比46%以上削減)」の達成に向け、他の拠点においても燃料転換や再生可能エネルギー導入といった施策を推進する。
 また、さまざまな次世代エネルギーや技術を活用することで、2050年度までにGHG排出量をネットゼロ(実質ゼロ)とする「カーボンニュートラルの実現」に着実に取り組んでいく。

岩国事業所に新設した自家火力発電所

岩国事業所に新設した自家火力発電所

竣工式の様子

竣工式の様子

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