全社増収増益を達成 タイヤ4社の1~9月期

2023年11月26日

ゴムタイムス社

 タイヤ4社の23年12月期第3四半期連結決算が出そろった。半導体不足の改善が進み、自動車各社の生産が回復するにつれ、タイヤ需要も回復した。中国や欧州の景気悪化など逆風がありながらも、ブリヂストン、住友ゴム、横浜ゴム、TOYOTIREの売上はいずれも増収となった。利益面も為替や海上輸送費など外部環境に加え、生産性改善活動などもありいずれも増益となった。
 ◆ブリヂストン
 売上収益が3兆1981億4400万円で前年同期比7・4%増、調整後営業利益は3622億5900万円で同5・9%増、営業利益は3757億9500万円で同22・3%増、四半期利益は2656億6500万円で同22・3%増となった。調整後営業利益の増減要因は加工費が730億円、数量が580億円、南米通貨が350億円、原材料が320億円などが減益要因となったものの、売値が1930億円、MIXが130億円、為替が540億円などが増益要因となり、合計201億円の増益となった。
 地域別にみると、日本の売上収益は8949億円で同9%増、調整後営業利益は1410億円で同54%増。米州の売上収益が1兆5737億円で同9%増、調整後営業利益は1710億円で同9%減。欧州・ロシア・中近東・アフリカの売上収益が6750億円で同5%増、調整後営業利益は182億円で同69%減。中国・アジア大洋州の売上収益が3462億円で同2%増、調整後営業利益は292億円で同7%増だった。
 ◆住友ゴム
 売上収益は8507億200万円で同8・9%増、事業利益は419億6400万円で同239・1%増、営業利益は414億4300万円で同321・3%増、四半期利益は272億500万円で同89・3%増となった。
 事業利益の増減要因を見ると、原材料で70億円、価格が233億円、海上運賃が327億円、為替が27億円、スポーツが6億円、産業品他が5億円の増益要因となった。一方、減益要因は数量・構成他で253億円、直接原価が75億円、固定費が18億円、経費が26億円となり、合計で296億円の増益となった。セグメント別では、タイヤ事業の売上収益は7205億9400万円で同9・0%増、事業利益は318億5300万円で同835・3%増となった。
 ◆横浜ゴム
 売上収益が6925億500万円で同12・5%増、事業利益は491億9000万円で同6・7%増、営業利益は523億6600万円で同15・5%増、四半期利益は445億8300万円で同33・9%増となった。
 事業利益の増減要因は、増益要因が為替差で49億円、物流費等が197億円、価格/MIXが12億円、MBが26億円となった。一方、減益要因が原料価格で5億円、販売量が39億円、製造原価が98億円、固定費が37億円、Y―TWSが11億円、その他が5億円で、計31億円の増益となった。
 セグメント別では、タイヤの売上収益は6129億4700万円で同13・6%増、事業利益は447億5000万円で同2・1%増となった。新車用タイヤは中国で日系自動車メーカーの販売不振による影響があったが、国内や北米は好調に推移した。
 ◆TOYO TIRE
 売上高が4092億2100万円で同16・8%増、営業利益は503億2400万円で同60・3%増、経常利益は644億8900万円で同42・4%増、四半期純利益は567億6800万円で同26・8%増となった。 タイヤ事業の売上高は3741億6300万円で同16・9%増、営業利益は502億7800万円で同49・0%増となった。国内市場の市販用タイヤは、今期2度の値上げ効果や、新商品PROXES Sport2、 PROXES Comfort Ⅱsやオープンカントリーシリーズなど重点商品の拡販を受けて売上高は前年度を上回った。

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