三菱ケミカル、伊CPC社買収 CFRP製自動車部材強化

2023年10月20日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルグループは10月18日、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製の自動車部材製造販売会社であるCPC社の全株式を取得することを決定した。同社グループは2017年にCPC社に出資したが、全株式取得により、垂直統合したサプライチェーンの強化・拡大を図り、炭素繊維事業の長期的な成長を加速していく。同手続きは規制当局の承認を経て2023年末に完了する予定としている。
 燃費規制やCO2排出量の削減強化を背景に自動車軽量化が重要な課題となっており、軽量化に貢献するCFRPは世界の自動車市場で関心が高まっている。自動車部材へのCFRP採用が急速に進む中、同社グループは部材設計から生産までの一貫したバリューチェーンを通じて顧客に最適なソリューションを提供することで、大きな強みを発揮していく。
 CPC社は、部材の設計・シミュレーションに加え、炭素繊維複合材料の成形、金型の設計・製造、複合材料の塗装、部品組立など、自動車部材分野におけるさまざまな技術的専門知識とノウハウを有している。また、大型複合材料部材の開発・成形に特化した世界最大級のプレス設備を保有している。同社グループはCPC社の設計力、成形技術、開発力、提案力、欧米自動車メーカーとの商流ネットワークを活用することで、シートモールディングコンパウンド(CF-SMC)や圧縮成形プリプレグ(PCM)といった炭素繊維複合材料の自動車部材への採用をいっそう加速していく。
 また、両社のパートナーシップはこれら当面の目標にとどまらず、バイオベースやリサイクル炭素繊維の中間材料開発など、将来に向けて持続可能なソリューションを提供するためのさらなる協働を予定している。
 今回の全株式取得は、原料から完成部材に至る炭素繊維バリューチェーン全体における継続性、卓越性、垂直統合に対する同社グループの強いコミットメントを示す。同社グループは今後もグループ内の強固な協力関係と業界の将来に対する統一したビジョンを原動力として、高品質の製品とサービスを提供し続けていく。

イタリア・シー・ピー・シー社

イタリア・シー・ピー・シー社

成型用プレス設備

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