ハイケム、グローバル化加速 初のヨーロッパ法人を設立

2023年10月23日

ゴムタイムス社

 ハイケムは10月20日、初のヨーロッパ法人となる「HighChem(Hungary)Kft.」を設立し、2023年10月より営業を開始したことを発表した。
 2050年までに最初の「気候中立な大陸」を目指し、「欧州グリーンディール」を推進するヨーロッパにおいて、カーボンニュートラルに関連する市場は拡大している。特に、輸送のゼロエミッション化に向けたEVの普及や化石由来材料のグリーン材料への置き換えに対する関心はより一層高まっているといえる。
 今回、ヨーロッパ法人の営業開始に伴い、日本と中国で同社がこれまで取り扱ってきた、化学品はもとより、EV向けの電池材料やポリ乳酸繊維などのグリーン素材について、ヨーロッパにおける新たな需要を開拓することで、グローバルな市場展開を加速していく。
 また、今年2月に株式を譲受したアクリル系専門商社のAIジャパンは、ヨーロッパでの強い販売力を有している。今回の法人開設により、更なるアクリル系商材の取り扱いの強化を図るとともに、ハイケムの既存商品におけるグローバル展開にもつなげていく。
 電池材料関連において、同社では、日本と中国において電解液溶媒やセパレータ材料などの電池材料の取り扱いを行っている。これまで、欧米や中国におけるEV車の普及に伴い、取り扱いを伸ばしてきた。
 今回のヨーロッパ法人の開設は、欧州のEV車の普及拡大をにらみ、欧州に進出する日中韓の電池メーカー及び電池材料メーカーに向けた電池材料の販売体制を強化するため。電池材料の顧客が多い東欧に拠点を開設することで、欧州事業の拡大に向けた電池メーカーなどへのアフターサービスを充実させていく。
 ポリ乳酸繊維などのグリーン素材において、同社では、トウモロコシ由来のポリ乳酸(PLA)繊維「ハイラクト」の市場展開を行っている。ヨーロッパのテキスタイル産業において、サステナブルな要素が不可欠要素となってきており、サステナブルな繊維への需要が高まっている。同社では今年9月にはファッションの本場ミラノで開催された国際的な糸とテキスタイルの見本市フィーロに出展するなどヨーロッパにおける市場開拓を積極的におこなってまいりました。今回のヨーロッパ法人開設により、より一層の市場開拓を行っていく。
 同社はこれまで中国を中心とした拠点開発を行ってきたが、今回のヨーロッパ法人開設により、同社のグローバル化を加速し、世界的な架け橋としての地位を確立させていく。

関連キーワード: ·

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー