自然共生サイトに認定 東洋紡の社有林「綾の森」

2023年10月27日

ゴムタイムス社

 東洋紡は10月26日、同社グループが宮崎県東諸県郡綾町(綾町)に保有する社有林「東洋紡 綾の森」(綾の森)が、環境省により、民間の取り組みなどによって生物多様性の保全が図られている区域として「自然共生サイト」に認定され、10月25日に星稜会館(東京都千代田区)で認定証授与式が開催されたことを発表した。
 「綾の森」は、同社が1971年より、化学繊維原料の自給を目的として保有を開始した約140ヘクタールの森林。自然林に近い二次林とスギなどを植林をした人工林が共存しており、2022年に外部機関が実施した生態系調査の結果、植生自然度が高く、クマタカなどの絶滅危惧種を含む希少な動植物やカシ類の巨木群などが生息・生育することを確認した。これを受け、今年6月に、同社グループは地元自治体の綾町と包括連携協定を締結し、「綾の森」の生物多様性保全に向けた積極的な取り組みを共同で推進している。
 環境省は本年度より、国連会議COP15により採択された国際的な目標である「30by30」の達成に向けて、自国の陸域・海域の少なくとも30%を保全・保護するため、生物多様性の保全が図られている区域を「自然共生サイト」として認定する制度を開始。このたび122か所(35都道府県)が初の認定を受けた。「綾の森」は、地域住民が利用できる場所として利活用のあり方を構築することを目標に掲げる点や、持続可能な森林管理を推進し、水源涵養機能など森林の多面的な機能の維持や希少動物の生息環境の保護に努めている点などが高く評価された。同認定を受けて、「綾の森」はOECMとして国際データベースに登録される予定。
 10月25日に開催された授与式には、朝日健太郎環境大臣政務官をはじめ多数の関係者が出席。同社グループからはサステナビリティ推進部長の持田由希子氏と、東洋紡不動産代表取締役社長の白井正勝氏が参加し、認定証の授与を受けた。今後も同社グループは、「綾の森」の持続可能な森林管理を推進するとともに、生物多様性の損失を食い止め、回復させる「ネイチャーポジティブ」に向けた活動に綾町と連携して取り組むことで、長期ビジョン「サステナブル・ビジョン2030」において掲げる「良質な水域・大気・土壌&生物多様性」の実現に貢献できるよう一層努めていく。

綾の森

綾の森

認定証授与式の様子

認定証授与式の様子

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