信越化学工業の2024年3月期第2四半期連結決算は、売上高が1兆1959億200万円で前年同期比15・1%減、営業利益が3819億1900万円で同28・8%減、経常利益が4275億800万円で同23・5%減、四半期純利益が3014億3900万円で同23・2%減となった。
セグメント別のうち、生活環境基盤材料事業の売上高は4909億円で同25%減、営業利益は1652億円で同43%減となった。塩化ビニルは中国における建設や住宅投資の弱さから、中国メーカーによる輸出圧力が収まらない状況が継続したが、価格水準を維持した。か性ソーダについても、同様な状況だった。
電子材料事業の売上高は4248億円で同3%減、営業利益は1542億円で同3%減となった。半導体市場は昨年秋以降の調整局面が当該期でも続いた。その収束にはまだ時間を要すると見込まれる。そのような事情のなか、シリコンウエハー、フォトレジスト、マスクブランクスなどの半導体材料を計画通りに出荷することに注力した。希土類磁石も、ハードディスクドライブ向けや産業機器用で調整が続いたが、車載市場ほかへの拡販に努力した。
機能材料事業の売上高は2154億円で同16%減、営業利益は517億円で同30%減となった。一部の汎用製品群で在庫調整や市況軟化の影響が継続したが、機能性の高い製品群で収益を補うことに努めた。
加工・商事・技術サービス事業の売上高は646億円で同3%増、営業利益は119億円で同15%減となった。半導体ウエハー関連容器は300mm用を中心に販売好調で、自動車用入力デバイスも自動車産業の回復を受け堅調を維持した。食品包装用塩ビラッピングフィルムはインバウンド需要の増加を背景に外食産業向けの販売が伸びた。
通期の連結業績予想については当初想からの修正は無く、売上高が2兆3000億円で前期比18・1%減、営業利益が7000億円で同29・9%減、経常利益が7600億円で同25・5%減、当期純利益が5200億円で同26・6%減を見込んでいる。
2023年10月31日