クラレは11月1日、同社のグループ会社であるクラレファスニングが、再生原料を使用した環境対応型の面ファスナー「マジックテープ」リサイクルタイプで、国際的なリサイクル表示基準であるRCS(Recycled Claim Standard)認証を取得したことを発表した。循環型社会の実現に寄与するサステナブルな製品として、ユーザーへの提案を強化していく。
近年、環境に配慮した製品への関心が高まる中、繊維製品およびその製造工程における環境安全、労働、企業統治などへの配慮に関するさまざまな認証スキームが設定、運営されている。RCS認証は、原材料から最終製品に至るサプライチェーンにおいてリサイクル素材の含有量とトレーサビリティーを客観的に検証する国際的な認証制度。
同社は昨年11月、使用済みペットボトルを原料とするポリエステル糸を使用した「マジックテープ」リサイクルタイプを発売。今回、一般財団法人ケケン試験認証センターを通じて、米国・テキサスに本部を置くTextile ExchangeのRCS認証を取得した。これにより、ユーザーからの取引証明書(TC)の要望に応じてTCを発行し、RCS認証製品として利用が可能となった。
同製品は、使用済みペットボトルを原料とするポリエステル糸を製品重量比で約30%使用している。従来製法ではバックコート剤にウレタン樹脂が使用され、モノマテリアル化を阻害していたが、同製品はポリエステル100%素材かつバックコート剤不使用のため、マテリアルリサイクルが可能。有機溶剤不使用で、製造工程におけるCO2排出量を約30%削減(同社比)している、クラレファスニング丸岡工場で製造される国内生産品。
2023年11月02日