高機能プラは約5割増益 住友ベークライト4~9月

2023年11月07日

ゴムタイムス社

 住友ベークライトの24年3月期第2四半期決算の売上収益は1419億4200万円で前年同期比1・1%減、事業利益は127億9500万円で同1・1%増、営業利益は126億400万円で同1・0%減、四半期利益は110億7400万円で同20・0%増となった。
 セグメント別では、半導体関連材料の売上収益は412億5200万円で同1・4%減、事業利益は83億8400万円で同4・6%減。半導体封止用エポキシ樹脂成形材料は、自動車販売台数の回復および電動車の比率増加を背景に、モビリティ用途は順調に増加したが、パソコン、スマートフォンなど民生向けの需要回復が遅れており、販売数量・売上収益は前年同期並みとなった。感光性ウェハーコート用液状樹脂は、主要顧客における生産調整の影響を受け、売上収益は前年同期を下回った。半導体用ダイボンディングペーストは、民生用途の需要低迷長期化、顧客での在庫調整により、売上収益は前年同期を下回った。半導体パッケージ基板材料「LαZ」シリーズは、スマートフォン向け販売の回復が鈍化し、前年同期の水準には届かなかった。
 高機能プラスチックの売上収益は487億8800万円で同4・0%減、事業利益は17億1600万円で同48・9%増となった。工業用フェノール樹脂およびフェノール樹脂成形材料は、アジア地区では自動車部品用途の販売数量回復の兆しが見えてきたが、欧米での自動車タイヤ用途や、欧州での建築断熱材用途の販売減少が響き、売上収益は前年同期比で減少した。 銅張積層板はエアコン用、車載用を中心に需要が低調で売上収益は減少した。 航空機内装部品は航空機産業の経営環境が改善していることに加え、為替の影響もあり売上収益は大幅に増加した。高機能プラスチックの事業利益は航空機内装部品の収益率の改善等により前年同期比で増益となった。
 クオリティオブライフ関連製品の売上収益は515億4500万円で同2・1%増、事業利益は45億4100万円で同1・1%増。医療機器製品は、法人向け製品の販売、血液浄化関連製品の輸出販売が好調を継続しており、売上収益は大幅に増加した。バイオ関連製品は、国内企業向けの在庫調整の影響等で売上収益は減少した。ビニル樹脂シートおよび複合シートは、医薬品包装用がジェネリック医薬品向け、コロナ関連製剤向けで好調を持続したが、産業用が中国市場を中心とする民生用途向けで需要回復が遅れ、売上収益は前年同期比で横ばいとなった。ポリカーボネート樹脂板および塩化ビニル樹脂板は、欧州向けのサングラス用偏光板など高付加価値製品の販売が回復基調にあるが、主力の国内建材用の販売数量が伸び悩み、売上収益は前年同期比で減少した。防水関連製品は、都市型フラット屋根の市場拡大にともない販売が好調なことにより、売上収益は前年同期比で増加した。 
 24年3月期の連結業績予想は、売上収益は2880億円で前期比1・1%増、事業利益は270億円で同6・1%増、当期利益は215億円で同6・0%増を見込んでいる。

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