DLケミカルグループに加わったスチレンブロック共重合体(SBC)の世界的大手メーカーである米クレイトンコーポレーション。その日本法人がクレイトンポリマージャパン(東京都港区、石井智憲取締役・統括ディレクター)だ。
クレイトングループ全体の戦略において、「イノベーション」と「サスティナビリティ」のテーマを掲げる。とくに、サスティナビリティでは、コロナ禍で社会全体がサスティナブルやカーボンニュートラルへの取り組みが加速し、同社もさらに注力していきたいテーマとなっている。
最近では、21年に仏・エコバディス社のサスティナビリティ調査において、同グループはサスティナビリティ管理システムで「プラチナ」評価を獲得。そして22年、23年も「プラチナ」評価を獲得し、3年連続となった。
また、イノベーションにおいても、数々の新製品を開発。そのうち、サスティナビリティのテーマでは、リサイクル向けに特化した改質剤「CirKular+(以下、サーキュラープラス)」があり、「サーキュラープラスを紹介しはじめてから、国内の引き合いも増えてきた。海外ではすでに実績が上がっている」(石井取締役)という。
また、サーキュラープラスシリーズには、フランスのベア工場で「CirKular+ ReNew(以下、サーキュラープラスリニュー)」シリーズを開発した。
サーキュラープラスリニューは、再生可能資源を最大100%使用することができ、マスバランス方式を採用しており、ISCC PLUS認証を取得することで、性能や品質を損なうことなく再生可能資源を使用した製品を製造することが可能だという。同社は国内でもサーキュラープラスリニューをPRしていきたい考えだ。
同社の上半期(1~6月)の製品の需要動向を振り返ると、医療系の粘接着用途を中心に展開するSISは、コロナ前までは、メディカルでインバウンド需要があったが、コロナ禍で落ち込んだ需要がまだ回復していない。また、紙おむつや衛生材料向けのテープや接着材用途の分野もコロナ前のインバウンド需要で一巡しているようだ。
アスファルト改質剤向けが7割を占めるSBSは、「海外では米国の寒波の影響や物流の混乱で動きが鈍いものの、国内は物価のインフレの影響を受けているが、堅調に推移している」(同)。また、SBSは弁当などの食品包装向けの需要も大きく、コロナが収束するにつれ、外出する機会が増えたと同時に、需要も回復しているという。
付加価値の高いSEBSについては、堅調に推移しており、「半導体不足が緩和したため、自動車メーカーの生産が動いている」(同)との見方を示す。
下半期は、上半期の需要の回復を受けて、計画を維持できると捉えている。
[/hidepost]
全文:約1180文字