東海カーボンの2023年12月期第3四半期連結決算は、売上高は2676億7500万円で前年同期比8・7%増、営業利益は297億4900万円で同6・2%増、経常利益は330億3400万円で同2・8%増、四半期純利益は213億7500万円で同32・6%増となった。
セグメント別では、カーボンブラック事業の売上高は1111億3100万円で同7・5%増、営業利益は159億2500万円で同77・2%増となった。タイヤメーカーの生産調整があったが、新車用タイヤ需要は回復しており、同社販売数量は前年同期並みとなった。また、米国を中心とした販売価格の改定により、環境設備投資の減価償却費負担の一部が補填され、前年同期比で増収増益となった。
黒鉛電極事業の売上高は458億9100万円で同5・1%増、営業利益は27億4000万円で同48・3%減となった。欧州鉄鋼生産が低迷しており、同社黒鉛電極の販売量も欧州拠点を中心に前年同期と比較して落ち込んだ。北米を中心に大口径電極の出荷が増加したため平均売価は上昇したものの、エネルギーコストの高止まりと 稼働率低下により製造コストは増加した。
ファインカーボン事業の売上高は324億1300万円で同12・0%減、営業利益は75億400万円で同32・4%減となった。パワー半導体向け製品や一般産業向け需要は堅調である一方、メモリ半導体向けのエッチング装置にて使用するSolid SiC製品の販売は、スマートフォンやパソコン需要低下による顧客の在庫調整及び米国の対中半導体規制長期化の影響を受け大きく落ち込んだ。
2023年12月期の通期業績予想は前回予想から修正した。売上高は3630億円で同6・6%増、営業利益は340億円で同16・2%減、経常利益は380億円で同10・6%減、当期純利益は200億円で同10・8%減を見込んでいる。
2023年11月09日