横浜ゴムの2023年12月期第3四半期連結決算は、売上収益が6925億500万円で同12・5%増、事業利益は491億9000万円で同6・7%増、営業利益は523億6600万円で同15・5%増、四半期利益は445億8300万円で同33・9%増となった。売上収益と事業利益、当期利益は過去最高を達成した。
事業利益の増減要因は、増益要因が為替差で49億円、物流費等が197億円、価格/MIXが12億円、MBが26億円となった。一方、減益要因が原料価格で5億円、販売量が39億円、製造原価が98億円、固定費が37億円、Y―TWSが11億円、その他が5億円で、計31億円の増益となった。
セグメント別では、タイヤの売上収益は6129億4700万円で同13・6%増、事業利益は447億5000万円で同2・1%増。新車用タイヤは中国で日系自動車メーカーの販売不振による影響があったが、国内や北米は好調に推移した。
市販用タイヤは、国内では年初の降雪により冬用タイヤの販売が堅調に推移。海外は中国、アジア地域で販売を伸ばし、売上収益は前年同期を上回った。
OHT(オフハイウェイタイヤ)全体の売上収益は欧州、北米では厳しい市場環境が続きYOHT(旧ATG)の販売は伸び悩んだが、5月に買収完了したY―TWSの業績が加わり、前年同期を大きく上回った。
MB(マルチプル・ビジネス)の売上収益は729億2000万円で同6・3%増、事業利益は43億7200万円で同152・0%増となった。
ホース配管事業は、米国で米系自動車メーカーにおけるストライキの影響はあったが日系自動車メーカー向けホースが堅調に推移し売上収益は前年同期を上回った。
工業資材事業は、コンベヤベルトの販売が国内、海外ともに大きく伸長。海洋商品も好調で、また航空部品も民間航空機向け補用品販売が好調だったことから、売上収益は前年同期を上回った。
2023年度通期の業績予想は5月に発表した数値を修正した。北米でのタイヤ販売が堅調に推移していること、海上運賃や固定費をはじめとした経費削減の効果などを考慮し、事業利益、営業利益及び当期利益を上方修正した。売上収益は1兆円(据え置き)、事業利益は900億円(前回発表845億円、増減率6・5%増)、営業利益は925億円(同870億円、同6・3%増)、当期利益は625億円(同570億円、同9・7%増)を見込んでいる。
2023年11月13日