ADEKAの2024年3月期第2四半期決算は、売上高が1876億6000万円で前年同期比4・5%減、営業利益は147億9800万円で同2・1%減、経常利益は155億3100万円で同5・5%減、四半期純利益は105億5000万円で同5・7%増となった。
化学品事業の売上高は1015億5500万円で同7・6%減、営業利益は120億4100万円で同13・7%減となった。
樹脂添加剤全体では、販売数量の減少と固定費の増加により、前年同期に比べ減収減益となった。自動車向けでは、自動車生産の回復を背景に自動車部材に使用する核剤、光安定剤やゴム用可塑剤の販売が堅調に推移した。 建材向けでは、北米を中心に住宅内装材の需要が停滞し、塩ビ用安定剤の販売が低調に推移した。
ポリオレフィン樹脂に使用するワンパック顆粒添加剤や酸化防止剤は、中東・欧州での需要 低迷と市場での競争激化により、販売が苦戦した。
情報・電子化学品全体では、先端半導体向け製品の販売好調とディスプレイ関連材料の持ち直しにより増収となった。利益は原材料価格の高騰に加え設備投資に伴う固定費の増加もあり、 前年同期に比べ若干の減益となった。
機能化学品全体では、販売数量の減少により、前年同期に比べ減収減益となった。自動車向けでは、エンジンオイル用潤滑油添加剤の販売が、海外での自動車生産の回復や新エンジンオイル規格の普及拡大により好調に推移した。また、自動車の構造用接着剤向けエポキシ樹脂や車載用電子部品向けエポキシ樹脂接着剤の販売が底堅く推移した。建築塗料向けでは、インドの住環境の変化に伴う需要を取り込み、反応性乳化剤の販売が好調に推移した。一方で、家電、スマートフォン、パソコンの市況低迷が続き、水系樹脂や特殊エポキシ樹脂の販売が低調だった。化粧品向け特殊界面活性剤は、欧州を中心に需要が落ち込み、販売が低調だった。工業用途で使用されるプロピレングリコール類や過酸化製品は、市況低迷が続き販売が低調だった。
24年3月期通期の連結業績予想は、売上高が4100億円で前期比1・7%増、営業利益が345億円で同6・6%増、経常利益が345億円で同5・9%増、純利益が210億円で同25・2%増を見込んでいる。
2023年11月13日