カネカの24年3月期第2四半期決算は、売上高は3701億1600万円で同2・8%減、営業利益は126億600万円で同39・4%減、経常利益は127億4100万円で同43・4%減、四半期純利益は88億9700万円で同46・3%減となった。 セグメント別では、マテリアルソリューションユニットの売上高は1565億円で同9・5%減、営業利益は121億円で同35・2%減となった。欧米・アジアの景気停滞が長期化するなか、前年3Qを底として回復基調にあるが、その戻る力は想定以上に弱く、減収減益となった。Vinylsは塩ビ・か性ソーダともに中国経済の回復遅れやアジア市況の下落の影響を大きく受け、低調に推移した。
MODは欧米での高インフレ・高金利が継続し、建築用途の需給調整が長引いているが、2Q後半から非塩ビ向けやアジア市場の需要が回復基調にある。エポキシマスターバッチは、EVの構造接着剤向けを中心に順調に拡大し、新規用途での拡販も進めている。
Green Planetは、市場開発のキーとなる様々な加工技術や、求められる機能性向上のための配合技術が進み、バイオものづくり力の強化が進んでいる。日米欧の大手ブランドホルダーとの共同開発も順調に進んでいる。
クオリティーオブライフソリューションユニットの売上高は848億円で同2・8%減、営業利益は71億円で同18・1%減となった
Foamのスチレン系発泡樹脂の需要は低調に推移したが、価格改定などによりスプレッドが改善。発泡ポリオレフィンは、自動車向け需要が国内・海外ともに回復し、全体は増収増益となった。
PVは住宅向け高効率太陽電池の販売が堅調に推移している。新築住宅などへの太陽電池設置義務化の動きが全国に広がっており、更なる需要伸長を見通した生産基盤の強化を進めている。
E&Iはスマートフォン市場の需要回復が見られるが、足取りが想定より遅く、ポリイミド製品の販売回復が遅れています。本格的な回復時期は第3四半期以降と見込んでいる。大型TV向けアクリル樹脂及び有機EL向けポリイミドワニスの需要は底を脱し、堅調に推移した。
24年3月期通期業績見通しは前回発表から修正した。売上高は7790億円(前回発表8000億円、増減率2・6%減)、営業利益は355億円(同420億円、同15・5%減)、経常利益は335億円(同385億円、同13・0%減)、当期純利益は260億円(同270億円、同3・7%減)を見込んでいる。
2023年11月13日