売上・利益とも過去最高 TOYO TIRE1~9月期

2023年11月15日

ゴムタイムス社

 TOYO TIREの23年12月期第3四半期連結決算は、売上高が4092億2100万円で前年同期比16・8%増、営業利益は503億2400万円で同60・3%増、経常利益は644億8900万円で同42・4%増、四半期純利益は567億6800万円で同26・8%増となった。
 北米でのタイヤ販売本数の伸長などにより、売上高は過去最高を達成した。さらに利益面についても営業利益は海上輸送費や為替など外部環境が追い風となり過去最高となったほか、経常利益は為替差益の計上等により過去最高となった。さらに純利益も有価証券売却益の計上等により過去最高を記録した。
 営業利益の増減要因をみると、原材料で6億円、為替が77億円、海上運賃等高騰影響が169億円、自動車部品事業が24億円の増益要因となった。一方、販売要因で21億円、製造コストが7億円、販管費が34億円、セルビア工場立上コストが24億円の減益要因となり、合計で189億円の増益となった。
 タイヤ事業の売上高は3741億6300万円で同16・9%増、営業利益は502億7800万円で同49・0%増となった。北米市場の市販用タイヤは、OPEN COUNTRY A/t 3(オープンカントリー・エーティースリー)、NITTO RECON GRAPPLER A/t(ニットー リコングラップラー・エーティー)、OPEN COUNTRY R/t TRAIL(オープンカントリー・アールティー・トレイル)など同社が強みとする大口径ライトトラック用タイヤやSUV用タイヤ、更に全天候型タイヤの新商品CELSIUSⅡ(セルシアス・ツー)などの重点商品を中心とした販売に注力した。
 これに第1四半期から継続して販売量が堅調に推移したことで売上は前年度を上回った。
 欧州市場の市販用タイヤは、ロシア・ウクライナ情勢に伴うロシアや周辺地域への販売停止の影響を受けたことで販売量は前年度を下回った。一方、売上高は欧州各国での値上げや商品ミックス改善により、前年度を大きく上回った。
 国内市場における市販用タイヤは、国内需要の減少から販売量は前年度を下回った。一方、今期2度の値上げ効果や、新商品PROXES Sport2(プロクセス・スポーツツー)、 PROXES Comfort Ⅱs(プロクセス・コンフォートツーエス)やオープンカントリーシリーズなど重点商品の拡販を受けて売上高は前年度を上回った。
 新車用タイヤは、半導体不足が緩和したため、自動車メーカーの生産が回復基調となり、販売量が前年度を大きく上回った。売上高も原材料市況高騰の一部を価格に反映できたことから、前年度を大きく上回った。
 自動車部品事業の売上高は350億4500万円で同15・9%増、営業利益は4600万円(前年同期は23億4600万円の営業損失)となった。 自動車部品事業は、半導体不足が緩和し自動車メーカーの生産が回復基調となり、また原材料市況高騰の一部を価格に反映できたため、黒字転換した。

 23年12月期業績予想は前回発表から修正した。原材料価格の高騰及び海上運賃の値上がり等が想定より下回ること、為替相場が想定より円安に推移していることから、営業利益、経常利益、当期純利益を増益で修正した。

 23年12月期業績予想は、売上高が5600億円(前回発表を据え置き)、営業利益は650億円(同600億円、増減率8・3%増)、経常利益は700億円(同610億円、同14・8%増)、当期純利益は600億円(同550億円、同9・1%増)を見込んでいる。
 セグメント別では、タイヤ事業の売上高は5140億円(同据え置き)、営業利益は660億円(同620億円)、自動車部品事業は460億円(同据え置き)、営業損失は10億円(前回発表は20億円の損失)を見込んでいる。

 

 

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