ブリヂストンは11月26日、地震時の建物の揺れを吸収する免震ゴムの高減衰ゴム系シリーズに、画期的なフレア形状を採用した「HF(エイチエフ)シリーズ」を9月より発売開始したと発表した。
免震ゴムは真円状の薄いゴムと鉄板(鋼板)を交互に重ねた構造でできており、建物の下などに配置することで地震による揺れである振動エネルギーを吸収している。その中でも同社独自の高減衰ゴムは、特殊な配合によりゴム自体のエネルギー吸収性能が高く、建物を支える荷重支持機能と地震の揺れを吸収する減衰機能を一体化した免震部材として広く利用している。
今回発売する「エイチエフシリーズ」は、同社がこれまで培ってきた「ゴムを極める」というコアコンピタンスを活かし、国内で初めて上下端部に傾斜構造を配置するフレア形状を採用している。
この形状を採用することで、地震の揺れによって免震ゴムが大きく変形する際に建物の重さを支える荷重支持能力と水平方向の最大変形性能を、従来シリーズ対比40%向上した。
これにより、建物や設計によっては同一荷重を支える際の免震ゴムをダウンサイジングでき、特に大型倉庫や工場などの中低層建物において免震ゴムと建物の双方のコストの最適化や建物の構造設計の柔軟性の向上に貢献する。
同社は、免震ゴムの高減衰ゴム系「エイチエフシリーズ」により、さらに幅広い建物に「免震」という新しい選択肢を提供していく。
商品の特長の1つ目は、ゴムと鉄板の積層構造からなる免震ゴムの製造工程において、同社のものづくり技術を結集し、優れた寸法管理を行うことで、歪みの無いフレア形状を実現できるという点。
2つ目は、地震の揺れにより免震ゴムが変形する際に建物の荷重を大きな面で支えることができるため、従来シリーズよりも高い荷重を支えた状態でより大きく変形することが可能という点。
3つ目は、その結果、条件によっては採用する免震ゴムのダウンサイジングが可能という点となる。
2023年11月17日