ゴム補強材用接着剤を開発 日本板硝子、RF非含有に

2023年11月21日

ゴムタイムス社

  日本板硝子はこのほど同社のグラスコード製品において、環境や人体への有害性が懸念される化学物質である、レゾルシンとホルムアルデヒド(RF)を含まないゴム補強材用接着剤を開発した。同社製品を扱うサプライチェーン内で有害物質の使用制限が広がる中で、開発した接着剤はその独自技術をベースに様々な用途のゴム製品に使用可能な汎用性の高い、安心・安全な接着剤をコンセプトとして開発したもの。同接着剤を使用したグラスコードのサンプリング提供はすでに開始しており、23年度の上市を目指している。
 タイミングベルトやタイヤ、ホースなどのゴム製品には、強度や形態安定性を維持する目的で各種繊維(硝子繊維、アラミド、炭素繊維、合成繊維等)が補強材として使用されている。各種繊維とゴム組成物を接着させるプロセスで、その高い接着性能から、これまでレゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス(RFL)接着剤が広く使用されてきた。しかし、世界的に環境や人体に有害な物質を使用した部材などの使用制限が広がる中で、それらの懸念のあるRFを含まない新規接着剤の開発が求められてきた。
 同社グループが開発した接着剤は、同社が既に独自に開発する油中ベルト向けの接着技術を応用し、人体に有害なRFの代替として新規開発したカップリング剤を使用することで、有害化学物質が漏出するリスクを無くし、環境負荷低減に貢献する。また、従来のRFL接着剤と同等の接着性能を実現。さらに、ガラス繊維だけでなく、ポリエステル、炭素繊維、アラミド繊維などの繊維コードの接着剤として広く使用できることが特徴だ。
 同社グループは、高強度ガラス繊維から最終製品であるグラスコードを一括で生産できる世界で唯一のメーカー。高い強度や耐性が求められる自動車やオートバイなどのタイミングベルトの分野で貢献している。
 開発した接着剤は、多種多様なゴム種に対応でき、RFL接着剤と同等の接着特性を実現できることから、各種ゴムベルトのみならず、シール材やタイヤ、窓枠のパッキンなど、環境配慮型製品を求める顧客に対し、新たな価値を提案していく。

同社グラスコード製品

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