帝人フロンティアは11月21日、独自の高機能繊維を用いて新たに開発したポリエステル長繊維による特殊嵩高意匠糸を無縫製で編み立てることで、軽量嵩高で、つつみこまれるような保温性やストレスフリーな新質感の着心地と高い機能性を実現した、アウトドア・スポーツ向けの無縫製ニットウエア「ロフター」を開発したと発表した。
近年、アウトドア・スポーツウエアに対しては、優れた保温性に加えて、高級感のある外観、風合いやさらなる着用快適性（吸水速乾性、ストレスフリー）、環境配慮型であることなど、様々な要求を満たす商品開発のニーズが高まっている。一方、従来は軽くて保温性の高いフリースが広く使用されていますが、起毛商品であることから、吸汗速乾性能が低いことや嵩張ること、洗濯・着用後の外観変化などに対する課題があった。
これらの多様な要望や課題に対して、同社は、起毛を施すことなく保温性・機能性を得るために、モール糸の構造に着目した。しかし、従来のモール糸は、柔らかい風合いやふんわりとした外観などの質感を重視したファッション向けが主な用途で、アウトドア・スポーツウエアに求められる機能性が不足していた。
このような状況下、モール糸の嵩高構造を利用し機能性を付与するために、独自の機能性繊維を使用した特殊嵩高意匠糸を開発し、さらにその意匠糸を無縫製で編み立てることで、高い機能性とつつみこまれるような保温性、ストレスフリーな新質感を備える新しい軽量快適保温性無縫製ニットウエア「ロフター」を開発した。
「ロフター」は、芯糸に高捲縮「デルタ」加工糸を使用して高密度なループ構造とすることで、起毛によらない良好な立毛性と嵩高保温性を実現するとともに、毛羽の脱落を抑制する。花糸には、多様な機能性を付与するために、独自の機能性ポリエステル長繊維を使用している。その意匠糸を用いてローゲージの無縫製ニットウエアを編立てることで、ストレスフリーな柔らかい独特の着用感と軽量でつつみこまれるような保温性に加えて、発汗時の吸水速乾性や高通気性による蒸れ感防止などの着用快適性や、コンパクトにたためるポケッタブル性を併せ持つことが特徴。リサイクルポリエステル１００％で作られており、洗濯や着用を繰り返しても外観変化が小さく、長期間の着用が可能で、マイクロプラスチックの原因となる毛羽の脱落も少ないため、環境に配慮した製品となっている。
今後は、アウトドア・スポーツ用途として２０２５年秋冬向けから販売を開始し、その後、カジュアルおよび、ユニフォームなどの機能性衣料向けへと幅広く展開し、２０２６年度に10万着の販売を目指す。
ロフター
