西部ゴム商組(小島孝彦理事長)は11月22日、中央電気倶楽部(大阪市北区)でホース商工懇談会を開催した。
商業者側からはホース部会員企業の代表者ら12人が出席し、メーカー側からはオーサカゴム販売、住友理工ホーステックス、タイガースポリマー、東拓工業、十川ゴム、トヨックス、ニッタ、八興、プラス・テク、ユーシー産業の代表者ら13人が出席した。
冒頭、主催者を代表し小島理事長は「今年を振り返ると値上げの話は今もまだ継続中で、値上げにかなり労力を割いた1年だったかと思う。お客様からは値上げへのエビデンスを求められたり、満額を認めてもらえなかったり、様々なケースがあるが、メーカー様と商業者側が良好な関係を保つことができれば交渉もスムーズに進むのではないか」と述べた。最後に小島理事長は「1年に1回、商工が集う貴重な場でもあるので、情報交換、意見交換してほしい」と挨拶を終えた。
続いて、同組合が今年10月に調査した「第27回ホース流通動態調査(回答48社)」について長谷川哲也ホース副部会長が報告した。
最近6カ月間(令和5年4~令和5年9月)の売上推移に関する設問ででは、ゴムホース、高圧ホース、樹脂ホースともに「横ばい(100%程度)」と回答した企業が最多となった。前回調査(令和4年10月)でも横ばいの回答が最多だったものの、細かく見ていくとゴムホース(編上)と高圧ホース(ゴム)と高圧ホース(ナイロン)は「やや落ちている」の回答が前回調査よりも若干増加した。
また、最近6ヵ月間(同)の価格競争状態の推移についての設問では、「まあまあである」がいずれも最多の割合を占める結果となった。
次の6ヵ月間(令和5年10~令和6年3月)の売上予測に関する設問では、ゴムホース、高圧ホース、樹脂ホースともに「今後は横ばい」の割合が最多の回答となった。最近6ヵ月間と同様、売上は横ばいで推移するとの見方が大半を占める結果となっている。
そのほかでは、ホースの在庫に関して「1年前と比較して在庫状況の変化」の設問では「不変が」全体の58%を占めた。
また、商業者に特記すべき事項を回答してもらったところ、仕入価格について、「仕入価格は上がっているが客先に価格転嫁できている」といった声があがる一方で、「仕入価格の上昇に販売価格が追い付かない」「値上げの客先への浸透に苦労している」といった声もあった。仕入れ価格の上昇がみられるなか、値上げに苦慮する商業者は多く、仕入価格の動向は引き続き注視していく必要がありそうだ。
次に生産・販売状況について、一般ホースは十川ゴムの瀬田光政大阪支社課長、樹脂ホースはタイガースポリマーの上田徳仁大阪支店長、高圧ホースは住友理工ホーステックスの大原浩西日本営業部部長が説明した。
その後、部会からの提議・質疑事項討議が行われた。「24年物流問題への対応」に関する商業者側からの提議に対し、メーカー側からは「外部倉庫の有効活用を検討したい」「当日出荷から翌日出荷も視野に入れている」といった声があった。 続いて「ホースで売上が見込めない」の提議について、メーカー側からは「バイオマス(植物由来)の材料を使った製品を増やすことで新商品を求める商業者様のニーズにお応えしたい」といった回答や「商品にサービスを盛り込み売り上げを伸ばしていく」との回答もあった。
商工懇談会終了後は場所を移し、懇親会が開かれ、より有意義な情報交換が行われた。
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