住友理工は11月28日、「2029年住友理工グループ経営Vision」(2029V)の達成に向けて小牧製作所(愛知県小牧市)の刷新を開始し、その第1期として同日、化工品新工場の起工式を実施した。竣工は2024年11月、操業開始は同年12月を計画。従業員数は、新工場では約30名(2024年度見込み)、面積は建築面積、約4700㎡、延床面積、約6600㎡、投資額は約27億円(建物のみ)となる。新工場で生産する製品は、橋梁用ゴム支承や、住宅用制振装置「マルチタイプ TMD」などだ。
同社は1929年に三重県四日市市で創業し、1960年には愛知県小牧市に現在の主要工場を開設し、1964年には本社を四日市市から小牧市へと移転した。この約60年間という長い歴史の中で、同社は時代の変化に適応し、事業内容を拡大・変革してきた。
2029Ⅴの達成に向けて、より一層の成長と進化を遂げ、社会の変化に適応していくために、あらためて小牧製作所全体の見直し・再配置を行っていく。また、生産の最適化だけではなく、製作所内の安全性のさらなる向上や物流最適化に加え、従業員が働きやすい職場づくりを目指す。
化工品新工場は2021年、小牧製作所北部にあった旧社宅および体育館を老朽化のため取り壊した。この土地の活用について現状の化工品工場を移転して新工場として新築し、小牧製作所内に分散している化工品工場の集約を行う。
同社の化工品事業では、鉄道車両用防振ゴムや橋梁用ゴム支承といった、インフラを支える製品およびビルや住宅を地震から守る制震システム、遮断熱機能を備えた窓用フィルムなどの住環境製品を中心に製造・販売している。今回の新工場は2階建てで、橋梁用ゴム支承や住宅用制振装置の製造・評価を行うことを予定している。
新工場は、フォークリフトの人車分離などにより、安全性を向上させた職場になる。さらに、休憩室やコミュニケーションスペースも現状より拡張し、従業員が働きやすい環境を整える予定となる。
同社グループは、2029Vにおいて、2029年のありたい姿を「理工のチカラを起点に、社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続ける、リーディンカンパニー」と設定した。ありたい姿の実現に向けた方向性の一つとして、「未来を開拓する人・仲間づくり」を掲げている。今後も、技術の進化・融合を推進し、社会課題の解決に貢献し続けるとともに、従業員の個々の成長を促す、育成機会の提供と働きがい溢れる企業風土の醸成のため、働きやすい職場づくりにも努めていく。
2023年11月29日