日本インシュレーションは11月27日、学生の様々な活動を支援する一環として、2023年1月に工学院大学ソーラーチームへ炭素繊維強化プラスチック複合材料(CFRP)用型材アルティーボードFSを提供したことを発表した。提供したアルティーボードFSはレーシングカーの軽量化を図るために採用されたCFRPを成形するための型材として利用されている。
アルティーボードは、CFRPの成形に使用される型材の素材として2017年(平成29年)に発売した製品で、主に自動車部品の成形過程で使用されている。アルティーボードは、不燃意匠内装建材であるタイカライトウッドを型材として使用できるように改良したもの。
タイカライトウッドは加工性もよく、木材でも表現できないエッジのきいたリブ・モール・レリーフを創作できる無機素材で、熱にも強く、反りや歪みなどの変形が起きにくいことから、2013年に学生フォーミュラ日本大会に出場する大学チームより車両の部品製造のために提供依頼があった。
学生フォーミュラ日本大会は、公益社団法人自動車技術会の主催で、国や地方自治体、マスコミが後援し、広範にわたる研究機関、学会、業界団体、企業が協賛する、自動車技術分野で活躍を目指す学生が習得した専門技術を発揮しあうコンテスト。主役である学生が自ら構想・設計・製作した車両により、ものづくりの総合力を競い、産学官民で支援して、自動車技術ならびに産業の発展・振興に資する人材を育成するイベントとして開催されている。
同社としても、このような主旨に賛同し、申し出のあったチームに材料の提供を行った。その後も、申し出に応じて2013年からタイカライトウッド、2017年からはアルティーボード、または資金の提供を行ってきた。そのような折、工学院大学ソーラーチームより、車両製造のためにアルティーボードの提供依頼があった。
工学院大学ソーラーチームは2023年10月22日から10月27日にかけて、世界の約25カ国から45チームが参加するブリヂストン・ワールドソーラーチャレンジ(BWSC)に出場し、オーストラリアのダーウィンからアデレードまでの3022kmをソーラーカーで走破する過酷なレースを6日かけて走り抜き、見事8位、日本勢では2番目に完走・ゴールした。BWSCは南オーストラリア政府が主催して世界最高峰のソーラーカー世界大会で、世界中の研究機関、業界団体、企業が協賛して、サステナブルEVであるソーラーカー開発や、次世代電気自動車の技術革新、次世代モビリティ社会の実現のために、世界中の学生が挑戦して多くの研究者やエンジニアを輩出している。