三井化学の上半期のモビリティソリューションの売上収益は2613億円で同2・3%増、コア営業利益は269億円で同15・0%増の増収増益となった。
モビリティソリューションのうち、エラストマー事業部が扱うエチレン・プロピレンゴム(EPDM)「三井EPT」の上半期の需要動向を振り返ると、三井EPTは国内自動車向けの販売が大きく、自動車メーカーの生産計画に大きくリンクするため、昨年と比較しても堅調な動きを示したという。一方、中国の景気低迷の影響を受けたほか、東南アジアや欧米も動きは厳しい状況だった。ただし、「インドは昨年に引き続き、稼働状況は良く、前年並みの動きになっている。足元の動きも良い」(廣瀬晃エラストマー事業部・EPTグループリーダー)。
自動車用途以外の電線などの一般産業向けでは、国内は良かったものの、中国などの海外は厳しい状況のようだ。
その結果、上半期の三井EPTは「国内が堅調に推移したことで、落ち込んだ中国をカバーできた」(同)ほか、3月に価格改定を行ったため、前年同期を上回った。
需要の回復度合いについて、国内はコロナ前まで19年レベルまで回復したが、海外については、需要のピークだった15年度レベルまでは回復していないという。また、住友化学のEPDMが撤退したため、需要がさらに伸びると見込んでいたが、需要の伸びが鈍い状況となっているとのことだ。
今後のEPDM市場では、国内でEPDMを扱うメーカーは住友化学が撤退したため、同社含め2社となっている。そこで同社は「まずは日系メーカーのお客様を重視していきたい。また、住友化学様がEPDMの撤退した分の切り替えをきちんと取り組んでいく」(同)方針だ。また、生産については、現状のプラントを最大限に活用し、生産効率を高め、できるだけエネルギーコストを抑える方向に持っていくとしている。
今期の事業戦略として、三井EPTは事業体質を強化するために、差別化の製品ラインナップの
2023年12月12日