東ソーの23年度上半期におけるCR(クロロプレンゴム)の需要動向は、円安進行や原材料価格高騰を背景に国内輸出ともに販売価格は上昇したことで、売上がほぼ計画通りに推移した。ただし、出荷数量は国内輸出ともに需要低迷で減少した。
国内では、自動車関連が回復基調にあるが、未だ流通在庫が停滞し、非自動車向けの工業用品の動きが鈍く、7月以降にやや顧客の戻りが見られたが、上半期全体としてはマイナスとなったという。海外は、インフレや金利上昇などによる社会経済の低迷で、インドを除くアジア、中国、ヨーロッパ各地の顧客の在庫調整が長期化し、売上では計画に対して未達となった。そのなかで、「中国の景気低迷の影響が大きく、その影響がアジアまで広がった。インドは自動車向けや工業用向けも比較的堅調な状況」(同社)となっている。
ドライチップは接着剤向けの不調が響いてマイナスだった。ラテックスは手袋向けの在庫調整期間が継続しており、まだ「回復には至っていないが来年後半からの需要の戻りが見込まれているのではないか」(同)との見方を示す。
クロロスルフォン化ポリエチレン(TOSO-CSM)は、欧米でのマイナスが影響して厳しい落ち込みとなったほか、国内でも出荷減が続き、マイナスが為替効果を上回っているという。
今後の課題への対応について、同社で「足元でも荷動きの悪さがしばらく続くと見られるが、特にCRはタイトな時期にあまり出荷できなかったエリアに向けてしっかり営業活動を行い、計画達成に向けて努めていきたい」考えだ。
コロナ禍で、20~21年度に大幅な需要増となったラテックスについては、在庫調整を行う中で新たな用途の掘り起こしも進めていくとしている。
同社は新中期経営計画(22~24年度)において、CRデボトルの2万t超規模の能力増強
2023年12月12日