旭化成は12月4日、同社が参画したGXリーグの「グリーン商材の付加価値付け検討ワーキング・グループ」において、「グリーン商材の付加価値付けに関する提言書」がまとめられ公表されたことを発表した。
「グリーン商材の付加価値付け検討ワーキング・グループ」(グリーン商材WG)は、経済産業省が2022年3月に発足したGXリーグの参画企業17社から構成される。
グリーン商材WGは2023年3月の発足以来、参画企業のグリーン商材候補をもとに、そのグリーン価値(グリーン商材が持つ環境負荷の低減価値)がグローバル市場において付加価値として認識され、活用されるための課題と課題解決のための仕組みについて検討を重ねてきた。本提言書では、グリーン商材の高付加価値化の指針案と先行事例を示すとともに、商材のグリーン価値に関する計測・算定手法、効果的な配分方法、経済活用の方法などを紹介している。なお、グリーン商材WGは、参画企業17社のほか、オブザーバー(一般社団法人日本電機工業会(JEMA)及び一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA))で構成されている。
近年、経済成⾧と地球環境の保全および人々の幸せを今後も持続的に追求していくためには、環境を優先する経済社会システムへの変換が必要であり、その中心的な役割を担う企業活動には、気候変動抑制に関わる具体的な行動計画の策定、開示、および履行が強く求められるようになった。
既に一部の環境先進企業は、自社の環境目標達成を前倒しする、再生可能エネルギーや省エネ技術を積極的に取り入れる、バリューチェーン全体で脱炭素化を進める、などの具体的な取り組みを、環境投資を実行しつつ加速している。また、企業が提供する製品・サービスでは、従来重視されていた「価格」と「品質」に加え、「環境負荷を減らすこと」が新たな提供価値として求められつつある。
他方、このような先進的な取り組みが、国・地域、業種、規模が異なる様々な事業領域において持続的に発展・拡大していくためには、企業の環境投資が社会貢献のための経済的負担としてではなく、新たな成⾧機会となるような仕組みが重要。このためには、環境投資を一企業の判断だけに委ねるのではなく、消費側の行動変容を促す仕組みの構築に加え、企業が提供するグリーン商材の価値を市場や顧客が適切に評価し、企業が投資回収を十分期待できるような経済社会制度の構築や事業環境の整備が不可欠であり、同提言書を公表することとなった。
同社は、バリューチェーン全体の視点から温室効果ガスの排出削減に貢献する製品・サービスの展開を図り、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいく。
2023年12月05日