カネカは12月8日、同社と大成建設の両社が共同開発した、建物の外壁や窓と一体化させた太陽電池モジュールで発電する外装システム「T-Green Multi Solar」で、令和5年度気候変動アクション環境大臣表彰「気候変動アクション大賞」(開発・製品化部門/緩和分野)を受賞したと発表した。
環境省では、気候変動対策推進の一環として「気候変動の緩和(温室効果ガスの排出抑制対策)」および「気候変動への適応(気候変動の影響による被害の回避・軽減対策)」に顕著な功績のあった個人・団体をたたえるために「気候変動アクション環境大臣表彰」を行っている。
カーボンニュートラル社会の実現に向け、多様な方法による再生可能エネルギーの導入と普及が進められているなか、メガソーラー設置に適した場所の減少や発電による電力系統の制約などがあり、発電した電力を同一施設内で利用する「地産地消」での効率的な太陽光発電設備と活用方法など新たな形態の構築が求められている。「T-Green Multi Solar」は、建物の外壁や窓と一体化させた太陽電池モジュールであり、都市型ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)を実現する創エネルギー技術として、新築・既築ビルの建材に導入可能。また、災害時に非常用電源として使用できることから、自立・分散型のエネルギーシステムを構築することができる。
今後、同社と大成建設は、既存建物のリニューアル、マンションバルコニーへの適用の拡大やカラーバリエーションの拡充などにより、さらなる普及(展開)を図る。また、戸建て住宅やマンションのほか、多様な用途や設置場所に応じて本システムを積極的に提案し、建物のZEH・ZEB化への寄与を通じて、脱炭素社会の実現に貢献していく。
2023年12月11日