横浜ゴムは12月13日、日本電気および三波工業と取り組んだ護衛艦向け複合通信空中線「NORA-50(通称:UNICORN)」の開発で、公益財団法人防衛基盤整備協会より「令和5年度防衛基盤整備協会賞」を受賞したと発表した。同賞は防衛装備庁後援のもと、防衛装備品の開発や生産において特に優れた業績をあげた個人やグループに贈られるもの。贈呈式は11月29日にホテルグランドヒル市ヶ谷(東京都新宿区)で行われた。
「UNICORN」はステルス性向上を目的に、従来甲板上の柱(マスト)の複数箇所に取り付けられていた様々な空中線(アンテナ)を1本の支柱に集約したもの。優れたステルス性だけでなく、アンテナの最適配置により外部から発信された電波の最大探査距離を向上したほか、整備および取り付け工程の簡略化を実現した。現在、海上自衛隊の「もがみ」型護衛艦に装備されている。
同社が開発を担当したのは「UNICORN」全体を覆うアンテナ用カバー(レドーム)で、これまで航空機用のレドーム開発で培ってきた技術を活かし、電波透過性を最大限高めながら、基本性能である耐候性はもちろん、落雷からアンテナを保護する耐雷性も兼ね備えている。
同社は2021年度から2023年度までの中期経営計画「ヨコハマ・トランスフォーメーション2023(YX2023)」に取り組んでいる。MB事業では強みであるホース配管事業と工業資材事業にリソースを集中してMB事業の成長を牽引し、安定収益を確保できる構造を目指している。その中で2022年3月末に航空部品事業を技術面で親和性の高い工業資材事業部に統合し、より付加価値の高い商品の開発に取り組んでいる。
2023年12月14日