昭和ホールディングス 此下竜矢CEO -2012年1月16日号掲載-
ゴム事業の経営基盤を強化
アジア新会社の躍進で 大幅な増収増益を達成
ゲーム・コンテンツ事業会社「㈱ウェッジ社」を子会社化したことにより、経営基盤が強化された昭和HD。長年不振が続いている創業業種であるゴム事業についても経営体制を強化する此下竜矢CE0に経営戦略を聞いた。
―11年を振り返って。
此下CEO 当社は11年5月に担保権の実行により、株式会社ウェッジホールディングス(「ウェッジ社」を子会社化したことにより、当社グループの規模は急速に拡大することとなった。ウェッジ社は、日本国内においては、ゲーム・コンテンツ事業を中心にその業績も堅調に推移しているが、特に海外事業についてはタイ王国におけるファイナンス事業が近年非常に大きく業績を伸ばしていることから、当社グループの利益の源泉として重要な地位を占めてくると思う。
また、当社のゴム製品の製造・販売を行う子会社、昭和ゴム㈱では国内最大級のゴムライニング用大型加硫缶の更新(再建造)工事が完了し、実運転を2011年4月から開始した。この大型加硫缶では法制上陸送可能なタンク等の設備は、ほぼ全て施工可能で、製品の品質が向上し、安定す
るほか、これまで以上に迅速な納期対応が可能となった。
―グループの上期業績は。
此下CE0 グループ連結業績は大幅な増収、黒字転換が図られ、株主価値の上昇を達成した。この大幅な業績改善は、当社がJASDAQ グロース市場に上場している、㈱ウェッジ社を子会社化したことが主な要因となっている。前年度上期と比較すると売上高は約16億5千万円から26億7千万円と61・5%に大幅に増加し、営業利益も約2億3千万円の赤字から、9500万円の黒字へと一気に黒字転換を果たした。
当社グループは長年、創業業種であるゴム製造業の不振が続いて営業赤字が続き、この結果として、スポーツ事業における黒字にもかかわらず、30年にわたり、撤退と縮小を繰り返してきた。しかしながら、上期における結果はこの長年の不振を逆転する転機となったと言える。また、その最大の要因となったウェッジ社は、連結損益計算書に対して、第2四半期
のみ(3か月間)の連結で今後、下半期においては全2四半期が連結され(累計で9か月間)、また、来期2013年3月期においては通年全期間が連結され、今後の当社グループへの好影響を期待するところである。
―ゴム事業の経営戦略について。