ランクセス 波ペーター・ワインマール社長 -2012年1月16日号掲載-
エコタイヤ向け高性能ゴムを拡販
グローバルに能力増強中 震災後の緊急供給で2ケタ伸長
ドイツの特殊化学品メーカーとして、最新のイノベーションをグローバルに展開するとともに、世界をリードするプレミアムソリューションを日本市場に提供しているランクセス。ペーター・ワインマール社長に日本市場の経営戦略を聞いた。
―11年を振り返って。
ワインマール社長 東日本大震災から始まった年であり、日本及び産業界が大きく影響を受けた年であった。当社は幸いに従業員の被災は免れたが、被災された方々、被災地の皆様には心よりお見舞いを申し上げたいと思う。2011年度は私たちの事業をいかに推進させるか、そのために全社を挙げて注力してきた1年であったと改めて思う。
震災は日本が力強く復興、変化することで、社会、経済的にも大きな転換点ととらえることができる。どういう変化となるかはわからないが、少なくともエネルギーを供給する産業基盤が変わってくるだろうと思う。その意味でも日本が生産拠点としてどのような活路を見出すのかと思っている。
一つだけ明確に見えていることは、変化の課題を突きつけられ、日本産業が適応力をどのように発揮するかである。その中で私どもが日本産業界にどう提供するか、何をもたらすかを考えていかなければならないと思っている。
2011年を振り返ってみると、ランクセス社にとっては大変いい年であったことである。9ヶ月決算では、売上高、利益ともに右肩上がりの27%増と大きく成長した。日本における貢献もあり2ケタ成長の飛躍の年であった。
―日本市場の業績は。 ワインマール社長 震災の後、プラス成長は期待できないと思っていたが、ある意味大きな驚きで、日本産業の失われた需要は急ピッチで回復し、日本市場はプラス成長となった。震災の影響で日本の合成ゴム、ゴム薬品メーカーーが一時供給がストップしたこともあり、合成ゴム、ゴム薬品をタイヤメーカーはじめ自動車部品メーカーに緊急供給したことで日本マーケットは大きく伸びた。特にH―NBR、EPDMの緊急需要が大きかった。
アジア圏でも製品を供給、売上高の増加に繋がった。
―2012年の事業計画は。