■ 新年インタビュー
その先を見据え、愚直に力をつける年に
TOYO TIRE 清水隆史社長
「その先を見据え、愚直に力をつける年」を24年の社内スローガンに掲げるTOYOTIRE。年末記者会見で清水隆史社長は23年を振り返りながら、24年における同社のありたい姿を説明した。
◆23年を振り返って。
昨年11月に発表した23年度第3四半期業績は、主力市場である北米で、SUV・ピックアップトラック向けの大口径タイプを中心に販売が好調に推移したことにより、1~9月累計の売上高は前年に引き続き、過去最高を更新した。
利益面では売上高の増加に加えて、海外輸送費の安定化、為替の円安メリットなどが追い風になり、営業利益、経常利益、四半期純利益の利益三項目で共に第3四半期で過去最高を記録した。
これまでの業績動向と年内までの見通しを踏まえて、通期の営業利益を650億円に、当期純利益を600億円に上方修正した。
また、本社オフィスのレイアウトを変更し、在宅勤務を選択肢として加えた新しい勤務体制も導入した。出勤する場合は業務の性質に合わせて働く場所を選択できるフリーアドレス制を導入し、従業員から好評を得ている。
◆セルビア工場について。
23年は新たな事業基盤の一角であるセルビア工場の立上げと共に始まった。一昨年の12月に同社として初めてとなる欧州工場をセルビアに開所。式典には、セルビア共和国のアレクサンダル・ヴチッチ大統領にも駆けつけて頂き、お祝いの言葉を頂いた。生産設備を順次導入し、徐々に生産能力を向上させている。欧州市場での地産地消の機能を担うだけでなく、主力米国市場に供給ができる戦略的な拠点となる。グローバル供給の戦略の幅を広げる生産拠点としての役割を果たすのに十分な工場に仕上がって来ている。
◆海外・国内の販売状況は。
当社の主力市場である北米は、下半期に大口径サイズが動きはじめ、前年を超