2024年年頭にあたって ゴムタイムス社

2024年01月01日

ゴムタイムス社

 謹んで新年のごあいさつを申し上げます。昨年中はご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
 昨年を振り返りますと、国内では23年5月に新型コロナウィルス感染症法の位置づけが「5類」に引き下げられ、ゴム関連団体の会議や事業活動も対面で行われ、当社の取材活動もマスクを外して行える機会が増え、コロナ前の姿に戻ってきた印象があります。
 一方、海外情勢に目を転じると、ロシア・ウクライナ戦争は長期化の様相を見せています。イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突が激化し、中東情勢は緊迫化しています。これまで世界経済をけん引してきた中国経済は成長鈍化が鮮明ですが、中国の自動車市場ではガソリン車からEV(電気自動車)へシフトが加速。ガソリン車を中心の日本車メーカーは苦戦を強いられ、中国市場からの撤退や現地工場人員の削減を決める日本車メーカーも出ています。中国で事業展開する多くのゴム企業が影響を受けました。
 さて、今年のゴム産業を展望すると、ゴム産業の主要業界である自動車は、国内向けは昨年に引き続き堅調、海外も中国向けを除いた北米やアセアン向けは順調な生産が見込めそうです。また、逆風が続いた半導体産業も、ここにきて生成AIの普及などで需要回復が見込まれ、半導体関連で使われるフッ素ゴムやシリコーンゴムも需要回復が期待されています。
 その中で、今年も地政学リスクの上昇や物価高など、先行き不安定な状況は続きそうです。不安定さが常態化する状況に柔軟に対応することがゴム業界にも求められています。慢性的な人手不足はゴム産業に関わらず産業全体の課題であり、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みも待ったなしです。激動する環境変化にゴムの特性である「弾性」や「粘り強さ」で対応し成長したいものです。
 弊紙は報道機関の一端を担う立場として、今年も正確で迅速な情報提供を肝に銘じ、ゴム・樹脂業界の健全な発展に微力を傾注する所存です。変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願いします。

ゴムタイムス社

関連キーワード: ·

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー