ケモインフォマティクス自社開発 レゾナック、運用を開始

2023年12月22日

ゴムタイムス社

 レゾナックは12月21日、近年ディープラーニング技術を用いたAIの進化と膨大な蓄積データを用いるケモインフォマティクスアプリを自社開発し、運用を開始したと発表した。情報科学による予測技術を活用することで、新しい化合物の開発における物性計算などの時間が大幅に短縮される。また、シンプルなユーザーインターフェースを採用しているため、ケモインフォマティクスの専門知識がない技術者でも使用でき、半導体などスピードが求められる分野の材料を、より短期間で開発することが可能になった。
 従来、新規材料の開発では多くの場合、実験の初期段階で文献や経験に基づき、一定の予測を行ってから実験と測定を繰り返す手法が行われてきた。また量子化学計算によるシミュレーションやケモインフォマティクスを用いて予測する場合は、通常は物性の計算やデータの入力規則である記述子の作成が必要となる。これには量子化学計算やケモインフォマティクスの深い知識や経験が求められる。
 今回、レゾナックの計算情報科学研究センターが開発したケモインフォマティクスアプリは、過去の材料開発から蓄積された計算及び実験データを活用したディープラーニング技術を利用しており、量子化学計算に比べて数千倍速く物性の予測を行うことができる。加えて、ユーザーインターフェースはシンプルで直感的に扱えるWebアプリケーションとなっているため、ケモインフォマティクスの経験が浅い実験者でも、日常的に使う分子の描画方法で簡単に分子データを入力でき、実験者自身で物性の予測や材料の事前設計が可能になった。
 同社では、今後も情報科学技術を活用することで、半導体材料をはじめとしたスピードが求められる材料の開発期間短縮に取り組んでいく。

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